「分かりやすくなった」72%/電子黒板導入でアンケ
児童生徒、教職員とも好評/小中学校に350台設置
2018、19年度の小中学校への電子黒板整備事業に伴う成果検証として、このほど市教育委員会が実施したアンケート調査が発表された。それによると、「分かりやすくなった」と回答した児童生徒は全体の72%となったほか、教員に対するアンケートでも「子供たちの意欲向上に効果があった」とする回答が72%となるなど、学ぶ側、教える側ともに電子黒板導入に対する評価は高かった。
この調査は、市内の小学校4年生~中学校3年生までの児童生徒と、全教員を対象にアンケートを実施。整備の目的だった「分かりやすい授業の構築」につながっているかについて検証した。
アンケートへの回答状況は、児童が1472人、生徒は924人が回答。教員は小学教諭が164人、中学教諭123人が回答した。
同事業の成果目標としては、「授業が分かりやすくなった」とする児童生徒の割合について「80%」を掲げていたが、今回の調査では及ばなかった。
それでも、電子黒板を使うことで「授業に集中したり、積極的に参加できたか」の問いには67%の子供たちが「そう思う」と答えている。
そのほかにも「文字や図を大きくして見られるので、分かりやすい」「他校との遠隔授業で考えを共有できたことが良かった」などの声も寄せられた。
教員アンケートでも、児童生徒の理解を高める効果の有無については「そう思う」が81%となるなど、電子黒板の有効性が示された。
一方で、授業で利活用する機能について見ると、ペン機能(書き込み、マーク等)の活用ができている教諭は全体の7割に満たない状況で、その機能を十分に活用するためには研修などの施策が必要としている。
電子黒板とは、パソコンの画面をプロジェクターで電子黒板上に映し出し、黒板上でもパソコンの操作が可能。さらに、文字などを書くこともできて、書き込んだ後にそれをパソコンに保存することもできる。宮古島市では小中学校に合計で350台が設置された。
従来の黒板との大きな違いは、インターネットで膨大な情報を黒板に出して見せることができるほか、パソコン同様にクリックや入力もできることで子供たちの集中力の高まりが持続するとしている。
そのほかにも、事前に準備した教材を瞬時に表示できることから、約5~10分といわれる板書時間を授業に向けられるほか、チョークを使用しないことで粉じんによる人体への影響もないこともメリットとしている。