サトイモの出荷ピーク/大阪出身の安里さん栽培
本土市場で人気博す/「宮古の気候に最適」
宮古島産サトイモの県外出荷がピークを迎えている。島産のサトイモは品質も良く、本土の市場でほかの産地のサトイモが出回る時期よりも一足早く提供できることから、ここ数年人気を博している。また、生産面でも10月に植え付けて翌年の7月に収穫することから、台風の影響もほとんど無いという。下地高千穂でサトイモを生産する「ベジワーク宮古島」の安里智行社長は「宮古島の気候、土壌に適しており、とても可能性のある作物だと思う」と話した。
大阪出身の安里さんは父親が沖縄出身で、宮古に移り住んで20年。3年前からサトイモの栽培を始め、今年は60㌃の畑に植え付け今月中に10㌧の出荷を予定している。
安里さんによると、サトイモはもともと鹿児島県の沖永良部が産地だったが、生産者の高齢化で減少したことや、卸し先からもサトイモ生産を呼び掛けられたことで、3年前から栽培にチャレンジしたという。
安里さんは「本土でサトイモが出回るのが9月ごろから。宮古島産はそれよりも2カ月早い7月から出荷できるので確実に需要がある。8月中旬ぐらいまではいくらでも売れる。契約栽培なのですでに来年の注文も決まっている」と利点を強調した。
また、台風の影響もほぼないことも利点だと話す安里さんは「台風シーズンの前には収穫できるので影響はない。以前、収穫時期に台風が来たが、すでにしっかり根付いていたので問題なかった。逆に刈り取る予定だった葉の部分を風で吹き飛ばしてくれて、その後の作業がとても楽だった」と笑顔になった。
そのほかにも、サトイモの県外出荷と味の高評価を受けて、安里さんが生産しているパプリカやピーマン、ナスなども一緒に注文が入るようになり、相乗効果を生んでいるという。
今後の課題について、安里さんは「機械化とブランド化。さらに味は同じだが少し大きくなって出荷規格外となる部分を加工して商品化できればさらに可能性は広がると思う」と意欲を示した。