18年度宮古 不法投棄量599㌧
廃タイヤが65%占める/処分コスト高など課題
県環境整備課が昨年12月にまとめた2018年度の不法投棄実態調査報告書によると、宮古管内における不法投棄量599・5㌧のうち、廃タイヤが393・7㌧となり、全体の65・7%を占めていることが27日に行われた宮古保健所管内廃棄物不法処理防止ネットワーク会議の中で示された。会議では、現状の改善に向けて実施した関係業者に対するアンケート調査結果も示され、管内に処分業者が少ないことや処理費用の高さなどが課題となっていることが報告された。
アンケートは、自動車解体業者やタイヤ販売業者など89事業者を対象に実施され、回答率は42・7%だった。
廃タイヤの保管方法については、野積みが63%と大半を占めたほか、多くの事業者が特に対策を取らないまま野ざらしの状態で保管していることが示された。
管内における処理ルートは、島内での処理とコンテナでまとめて沖縄本島の処分業者に輸送処理する2種類となっている。
沖縄本島では廃タイヤの処分料金が1㌔当たり27円となっているのに対して、宮古は島内処理だと自社搬入で1㌔当たり51円。本島への輸送処理だと輸送費含め1㌔当たり52円となるなど料金面で負担が大きくなっている。
こうした状況を受けて、処理が困難と感じている事業者は全体の約9割となったほか、「処分が滞ったことがある」との質問に「過去にある」と「現在がその状況」と解答した割合が全体の3分の2となった。
管内における課題については「処分業者が少ない」が最も多く、そのほかにも「リサイクルの仕組みがない」「輸送コストが高い」などとなっている。
管内では、多くの廃タイヤが野ざらしの状態で放置されている現状を踏まえて県は「保管状況を定期的に確認し、不適正処理につながらないよう注視していく必要がある」とした。
そのほかにも、島内でリサイクルする仕組みの構築や、海上輸送にかかる補助費等の取り組みを組み合わせて、離島でも持続可能な処理の在り方を目指すことなどが示された。