「脱・現金払い」促進
琉銀が市、村などと協定/キャッシュレス化へ官民一体
宮古地域におけるキャッシュレス化の促進を図る「キャッシュレス推進連携協定締結式」が27日、市役所平良庁舎で行われた。琉球銀行(川上康頭取)と宮古島市(下地敏彦市長)、宮古島商工会議所(下地義治会頭)、宮古島観光協会(会長・下地市長)の4者間と、同銀行と多良間村(伊良皆光夫村長)、多良間村ふしゃぬふ観光協会(友利哲市会長)との3者間で協定の締結が行われ、相互連携と協働で脱現金払いを図り、圏域活性化に寄与することを誓い合った。
この取り組みは、圏域におけるキャッシュレス化を目指して同市、同村の全面的なバックアップの下、商工会議所や観光協会がカード加盟店の開拓を同銀行と連携して積極的に図って行く。
銀行側としては、商工会議所や観光協会の協力を得て、カードが利用できる店舗を圏域内に開拓できるメリットがある。
同銀行の松原知之専務は「銀行としては経費削減が課題だが現金にまつわる仕事の事務コストはとても大きい。キャッシュレス化は、そうした業務を銀行側だけでなく、商売をする人たちからも解放することにつながる」と、そのメリットを強調した。
具体的な取り組みとしては、加盟してくれる店舗に対して琉球銀行が提供する23のブランドの決済が可能な決済専用端末(RPG-T)を設置していく。
設置に伴う費用は、加盟する店舗が「マイナポイント事業実施に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業」に参加した場合、無償で提供される。
また、同端末は非接触のタッチ決済も可能であることから、接触機会の低減が図られ、新型コロナウイルス感染防止への効果も期待されている。
加盟する店舗側のメリットとしては、今年9月~来年2月までに加盟すれば、月の売り上げに対して発生する決済手数料(3・25%)を、市が上限4カ月分負担するとしている。
この負担期間が2月末までとなっていることから、上限4カ月分の決済手数料の補助を受けるためには11月までの加盟が必要となっている。
さらに、売上代金の振り込み口座を同銀行に指定すると、振り込みが通常月2回が「1週間以内」となり、加盟店舗の資金繰りも改善されるとしている。
そのほか、加盟店舗開拓に伴う紹介分については、手数料の一部が同銀行から商工会議所や観光協会側に支払われ、各団体はそれを元に新たな取り組みが展開できるメリットもある。
締結式には、松原専務のほか、下地市長や下地会頭らが出席し、「キャッシュレスアイランド宮古島」の実現に向けて連携していくことを確認した。