「憩える港に」市長に提言/船舶大型化対応など指摘
2002年度から女性の目線で、安全・安心な港づくりについて意見、情報交換を行ってきた「平良のみなと女性フォーラム」のメンバーは24日、宮古島市の下地敏彦市長に平良港の課題に対する改善策3項目を提言した。提言を受けた下地市長もその内容に理解を示し、安全、安心な平良港整備に向け積極的に取り組んでいく方針を示した。
今回示されたのは、①いのちとくらしを守れるみなとへ②人々が集い憩えるみなとへ③観光客の玄関口に-の3項目。
①については、近年大型化が進む貨物船舶に現在の平良港が対応しておらず、生活物資の安定供給を図る観点からも大型船舶に対応した岸壁の早期整備を求めている。
②は、かつて交流拠点だった平良港は現在、市民にとって身近な場所でなくなっていると指摘。特に漲水地区は物流と人流が分けられておらず危険で、市民が安心して港を利用するためにも人と物の住み分けを求めている。
さらに、港が市民、観光客にとってのにぎわいの拠点となるための取り組みや各種イベントにも利用できるシンボル的な緑地公園の整備を求めている。
③は、大型クルーズ船用の岸壁整備(耐震強化岸壁と兼用)と、クルーズ船の乗船客に対する地元の受け入れ態勢の充実を求めている。
8人の委員を代表して提言書を手渡した平良和枝さんは「これまでの活動を通して港の大切さ実感し、平良港が圏域の産業、経済、観光や市民の暮らしを支える身近なものとして感じるようになった。物資の安定供給、大規模地震への対応などまだ多くの改善すべき課題があるのでぜひ、提言が実現できるよう取り組んでほしい」と述べた。
下地市長は「提言の趣旨は十分に理解できる。貨物船大型化への対応や耐震バースの整備については再度、国に要請を予定している。また、平良港に大きなヨットハーバーができないか検討している」と述べ、平良港の整備に積極的に取り組んでいく姿勢を示した。