危機感一気に高まる/新型コロナ
面会禁止など厳戒態勢/市内福祉施設、高齢者死亡で
新型コロナウイルス感染による死亡者が県内離島では初めて宮古島で発生したことを受けて、島内の老人ホームなどでは死亡者が高齢者だったこともあり、緊張感が高まっている。ある福祉施設の関係者は「もう『緊張感』どころではない。一気に『恐怖感』になった」と危機感を募らせた。社会的に弱い立場の人たちをケアする島内の施設では、家族を含めた「面会禁止」などの措置を取るなど、感染防止策の徹底を図っている。
市内のある老人ホームの責任者は「今回の高齢者死亡を受けて、高齢者、障害者など社会的に弱い立場にいる人たちは本当にピリピリしている。私たち施設としても先月末に宮古で発生してからは、利用者の家族を含め面会禁止にするなど徹底していろいろな対策を取っている」と説明した。
そのほかにも、ある福祉施設の関係者は「これまで島内で発生しても多少、余裕はあったが、実際に島内で死亡者が出るとインパクトが全然違う。施設利用者、介護する職員も大きな衝撃を受けており、一気に恐怖感が広がっている」と話した。
そうした中、一部の福祉施設からは、感染者を受け入れている病院から施設利用者が退院する際の手続きについて、不満の声が出ている。
ある関係者は「数日前に施設の利用者が退院したが、退院の際に安心して施設で利用者を受け入れるためにPCR検査をお願いしたが断られた」と話した。
施設利用者の退院の際に、PCR検査を求める理由については「沖縄本島では赤十字病院でも退院した高齢者の患者が救急外来を受診して感染が分かったケースもある」と指摘し「ぜひ、退院時には検査をしてほしい」と訴えた。
この施設では、数日前に退院した施設利用者に対して、ほかの利用者と接触させないよう施設内に完全個室を設けて1週間程度様子を見ているという。