要項見直しで不手際/市コロナ経済対策
一部に給付金行き渡らず
新型コロナウイルス感染症対策に係る市の経済対策第1弾で、事業者に10万円を配る事業の実施要項見直しに端を発する市側の不手際によって、一部の民泊事業者に給付金が行き渡っていない。市の担当課は落ち度を認めており、近く発動する経済対策第3弾で追加給付を検討するという。
この事業は、新型コロナの影響で業績が悪化した事業者に一律10万円を給付する市独自の「事業者経営支援助成金」。コロナに関する金融機関の融資を受けていない事業者が対象で、6月12日までの期間に約900件の申請があった。
不備があったのは民泊事業者の取り扱いに関する実施要項の規定だ。当初は旅館業法の許可に基づく民泊事業者のみを給付対象にしていたが、後に県への届け出によって年間180日間を限度に住宅民泊事業を実施できるとした「住宅宿泊事業法」に係る民泊事業者も対象に加えた。ただ、周知不足で一部の事業者が期限内申請に至らず、給付金を受け取れていない。
取材に対して市観光商工課は、当初から住宅宿泊事業の民泊事業者を給付対象に加えなかったことや、変更後も「告知がしっかりとできていなかった」という点で不備を認めている。
すでに実施済みの事業であるため、第1弾で漏れた民泊事業者への給付の有無は現状不透明だ。ただ、担当課は「経済対策第3弾の中で検討したい」と、追加給付に向けて前向きに調整を進める考えを示した。