少人数で祖霊迎える
各家庭で旧盆「ンカイ」/コロナ禍、台風接近の中
旧盆初日の31日、市内の各家庭では亡くなった人たちの世界とされる後世(グソー)から先祖の霊を迎える「ンカイ(迎え)」が行われた。今年の旧盆は新型コロナウイルス感染症や台風9号の影響で少人数での「ンカイ」で少し寂しい様相となったが、家族らは仏壇に手を合わせ、祖先に感謝するとともに、子孫繁栄や無病息災などを祈った。
旧盆は旧暦7月13日から15日に行われるもので、今年は8月31日からの3日間に当たり、きょう9月1日が2日目の「ナカビ(中日)」、あす2日が最終日の「ウフイユー(送り日)」となる。
今年は新型コロナウイルス感染症対策で市が「3密」を避ける取り組みとして▽帰省の代わりにテレビ電話▽本家へのティーカミ(お祈り)は家族代表が行く(密集防止)▽お供え物の受け渡しや顔見せは長居せず玄関先で手短にする(密閉防止)▽多人数での食事や飲酒は別の機会にする(密接防止)-などを呼び掛けており、例年に比べて静かな印象だ。
また、旧盆初日の31日午後には台風9号の接近に伴い暴風警報が発令された。例年なら墓に先祖を迎えに行く姿も見られるが、それを控える家庭もあり、台風の影響を考えて前日に「お迎え」をする家庭もあった。
平良下里の砂川芳彦さん(76)宅では旧盆初日に孫が訪れ仏前で線香をたいて先祖の霊を迎え、仏壇に手を合わせた。芳彦さんは「コロナの影響で寂しいお盆だが仕方ない。家族が健康で毎日楽しく過ごせるよう先祖に祈りたい」との思いを述べた。