ICT教育を拡充へ/市教委
児童生徒にタブレット/今年度中に5200台導入
市のICT(情報通信技術)教育が拡充される。市内の児童生徒に1人1台のタブレット端末を今年度内に導入する予定だ。市教育委員会によると、実用化は2021年度で、オンライン教育などを通して新型コロナウイルス禍の学習機会の確保に対応する。導入費用は国の新型コロナ感染症対応臨時交付金を活用。貸し出し用Wi-Fiルーター整備を含めて1億4480万円を予算化した。市議会9月定例会に提出する。
導入機器は、米国グーグルのクロームOSを搭載したタブレット型端末で、計5200台を21年2月までには導入する計画だ。タブレット画面に直接書き込むことができるタッチペンも導入の方向だという。
端末の本格運用は21年度以降になる。具体的にはインターネットを通じて必要なサービスを利用できるクラウドを使い、課外活動や屋外授業に対応する。
調べ学習のほか、動画や音声の活用を含むICT教育の実践が各校で具現化する年度になりそうだ。
家庭での学習機会の公平性確保の観点から、貸し出し用Wi-Fiルーターも導入する。要保護・準要保護児童生徒や、困窮等が原因でネット環境が未整備とみられる家庭向けに貸し出し、新型コロナによる休校時などにも対応する。
1人1台のタブレット端末を導入する計画は、教育ICT環境の充実を進める政府のGIGA(ギガ)スクール構想の前倒しを受けて走り出した事業だ。
同構想は、小中学生全員にパソコンやタブレットなどの端末を配り、高速大容量通信ネットワークを一体的に整備するもの。2023年度末に向けて段階的に整備する計画だったが、新型コロナで臨時休校が続いた子供たちの学ぶ機会の保障を重視し、20年度内の実施に方向転換している。