オンライン面会導入へ/宮古厚生園
利用者と家族つなぐ/コロナ禍でも会える環境に
あす21日は「敬老の日」。例年だと島内の老人ホームには入所者の家族らが訪れて直接面会し、近況を報告し合いながら笑顔の触れ合いが見られるが、今年は新型コロナウイルスの影響で多くの施設で「面会禁止」が継続し、例年の光景は見られそうにない。それでも施設側は、利用者と家族の「会いたい」の思いを実現させようとインターネットを活用したオンライン面会の導入を図っている。現在は試験的に導入している特別養護老人ホーム宮古厚生園(平良洋治園長)では、10月からの本格稼働に向けて急ピッチで準備を進めている。
平良園長は「コロナ堝で利用者もその家族も『会えない』ストレスを抱え込んできたと思う。それを解消して、さらに喜ばれるサービスを提供したい」と話した。
同園のオンライン面会は、入所者の家族が面会を求めて園に訪れた場合は、園に隣接する事務所に通される。そこに設置されたパソコンには、園のスタッフが専用のソフトを活用して入所者を撮影した映像がリアルタイムで流され、利用者と家族とのやりとりが行われる。
同園では、県の補助金を利用しながら6月ごろから準備を進めてきたが、7月末に宮古島でも新型コロナが発生したことや、県内でも感染拡大したことなどから稼働が遅れていたという。
試験的に行われた同園のオンライン面会を体験したというある家族は「映像で父の姿を見た時はとても感動したし、父親も喜んでいることが分かったのでうれしかった。オンライン面会は本当にありがたいと思うけど、本当は直接会いたいよね」と話した。
オンライン面会の課題としては、面会時にスタッフが対応することから、業務との兼ね合いもあり、1日に多くの面会の対応は難しいという。
それでも園側では「実際に導入して進めていく中で慣れていくと思う。そうすれば1日当たりで対応できる件数も増えると思う」と話した。
そのほか、22日には、利用者とその家族のほか、島外にいる関係者の3者をつないだオンライン面会を初めて行う予定で、幅広い条件で実施できる環境を目指している。
「面会禁止」の措置を継続する中でも、「会いたい」の思いに応え、施設利用者との絆を紡ぐ方法はこれからもいろいろ模索されそうだ。