県地価調査 変動率で県内トップ/宮古の商業地
最高値38・9%上昇/1平方㍍当たり13万2000円
【那覇支社】県は29日、2020年県地価調査(7月1日時点)を発表した。宮古島市内の商業地最高価格は「平良字西里根間246番(筑登之屋)」の1平方㍍当たり13万2000円(前年比38・9%上昇)で、昨年の8・0%上昇から上げ幅を拡大した。新型コロナの影響で、3月以降は地価上昇が止まったとされるが、2月までの強い伸びで平均変動率は商業地が県内1位、住宅地は県内2位だった。
この調査は、県知事が毎年1回一定の基準日(7月1日)の基準地の単位面積(1平方㍍)当たりの標準価格を判定する。土地取引価格の指標を提供し、公共事業用地の適正な取得価格の算定や、相続税、固定資産税評価の目安などに用いられるもの。
県内41市町村の284地点、宮古島市では14地点(商業地3地点、住宅地11地点)、多良間村は2地点(住宅地2地点)を調査している。
今回、宮古島市の平均変動率は、商業地が対前年比31・5%、住宅地は同10・8%上昇となった。多良間村では、住宅地で同1・2%低下した。
宮古島市の住宅地で、最高標準価格となったのは、「平良字久貝ムイ原852番9」の1平方㍍当たり3万3500円(同10・2%上昇)となった。市内中心部で地価の上昇傾向が続いたほか、城辺保良地区では、買い手側の「割安感がある」との認識から、急激な上昇も見られた。
県地価調査分科会の濱元毅代表幹事は宮古島市の調査結果について「3月まで続いた上昇が、新型コロナウイルスの影響を相殺するほどに伸び率が強かった」と分析した。
新型コロナの影響については「3月以降の地価は、住宅地は横ばい、商業地は横ばいか少し下落している可能性がある」などと述べた。
不動産取引の状況については、「コロナの影響で、価格が下がったのではないかと考える買い手と、下げる理由はないと考える売り主とが、互いに見合っている状態が続いている」としたほか、現状の不動産売買に関しては「活発には動いていない」と指摘した。