ループバス 25日から実証運行/一周道路で観光地巡り
1000円で3カ月乗り放題/顔認証、キャッシュレス導入
宮古本島の一周道路を使用して観光名所を巡る宮古島ループバスの実証運行が25日にも始まる。市と地元バス会社、総合商社「双日」等による事業で、3カ月間運行して将来のバス交通利用の促進につなげる。新型コロナウイルス感染症対策としてバスに顔認証システムを搭載するほか、キャッシュレスにも対応した。実証期間中、市民は1人1000円で乗り放題に。観光客は1日1000円で利用できる。20日には長濱政治副市長が乗車体験を行い、利便性を強調した。
ループバス事業は、市と双日、地元バス会社のほか日本電気やプットメニューが連携して実施する。
バスの主要ルートは北海岸線と南海岸線。島の一周道路を使って市熱帯植物園や主要ビーチ、ホテル等を回る。市街地は▽宮古空港▽市役所▽市公設市場▽マティダ市民劇場-など。
内回りと外回りがあって双方向40分間隔で運行する計画だ。25日には運行を開始する予定で、来年1月31日まで実証事業を行う。
利用を希望する市民は事前登録用ウェブサイト(QRコード参照)で顔情報の仮登録を済ませ、事業に参加する宮古協栄バス、八千代バス・タクシー、中央交通の各社で本登録して1000円を払う。子ども(3歳から小学生)は500円で3歳未満は無料。
この手続きを終えれば3カ月間「顔パス」で乗り放題となる。スマートフォンやパソコンでの操作が難しい人は直接バス会社に出向いて仮登録、本登録の手続きを行うことも可能だ。顔登録は23日に開始する。
一方の観光客は、「LINE」アプリを使ったキャッシュレスで乗車することができる。1日1000円で何度でも利用できる。
このほか、ループバス6台と既存路線バスの位置情報を示すバスロケーションシステムも導入。GPSを使用し、目当てのバスがどこを走行しているのかが分かるシステムで、利用者は時間効率を高められる。
運行開始に当たって長濱副市長は「価値のある事業で可能性を感じる。観光客にも利便性がある」と実証運行に期待した。双日の山口幸一常務執行役員は「コロナ禍にあって非接触で利用できる。顔認証システムやキャッシュレスで乗りやすい。大いに利用していただきたい」と話した。