雇用情勢、依然厳しく/9月雇用の動き
有効求人倍率は0・98倍
宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、阿部祐士所長)は30日、宮古管内の2020年9月の雇用の動きを発表した。仕事を探す人1人に対して何件の求人があるのかを示す有効求人倍率は0・98倍となり、5カ月連続で1倍を割り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける雇用情勢は、依然として厳しい状況が続いている。
9月の月間有効求人数943人(前年同月比343人減)に対し、月間有効求職者数は958人(同比206人増)。この差が有効求人倍率に表れた。前年同月比で0・73ポイント低下した。
新規の求人数は353人で、前年同月と比べて107人少ない。7カ月連続で減少が続いている。
求人状況を産業別に見てみると、建設業と卸売・小売業以外は軒並み減少している。食料品製造業や生活関連サービス・娯楽業、サービス業はいずれも前年同月比で50%以上減少した。
阿部所長は「求職者が増える一方で求人数が減少するという逆のベクトルの動きがある」と分析し、「総じて厳しい」とした。
ただ、雇用保険資格喪失者および事業主都合による解雇・雇い止めは、それぞれ緩和の傾向にある。
雇用保険資格喪失者は前年同月の242人に対して今年は259人とその差が埋まり始めた。事業主都合の解雇や雇い止めも今年6月は69人と前年同月比で61人も多かったが、9月は12人。前年同月との比較も6人増と緩和されている。
また、観光産業を中心に少しずつ求人の動きが活発化しているという。宿泊業や飲食サービス業に勢いがある。9月のシルバーウイークや、政府の「Go To キャンペーン」を要因に国内観光の需要が喚起される中、宮古島への観光入域客数も増加。結果として求人数を押し上げている。
阿部所長は「急激に良くなることはないが、今回のGoToキャンペーン等で観光需要に回復の兆しが見られ、一定程度は期待できる」とみる。一方で「コロナの感染状況で浮き沈みしている」とも指摘し、依然として厳しい雇用環境にあることを強調した。