宮古地区の3人を表彰/県文化功労者
文化振興に功績
【那覇支社】2020年度県文化功労者表彰式が9日、那覇市の八汐荘屋良ホールで開かれ、宮古地区からの、宮国マサ子さん(93)=伝統工芸(苧麻糸手績み)=、豊見山カツ子さん(77)=伝統工芸(宮古上布)=、安谷屋昭さん(84)=文化財保護=の3人を含む15個人が表彰された。
表彰を受け、宮国さんの代理として出席した長女の奥平ヒロ子さんは「娘として母を誇りに思う。昔から手先が器用で手を使う仕事が好きなので、ここまで続けられたのではないか。高齢ではあるが、本人にやる気と体力があれば手績みの仕事を継続してほしい」と話した。
豊見山さんは「うれしいの一言しかない。好きな仕事なので良い織物を仕上げて、みんなから喜ばれるのを励みに頑張ることができた。これからも、後輩の指導育成に力を入れていきたい」と語った。
安谷屋さんは「40年近く文化財保護に関わったのが評価されてうれしい。推薦した市教育委員会に感謝したい。残された課題もあるので、市の担当者と相談しながら解決へ着実に進めていきたい」と述べた。
県では1990年から毎年度、芸術文化の振興や文化財保護に尽力するなど、県の文化振興に功績のあった個人や団体をたたえ、県知事が表彰している。
宮国さんは、長年にわたり国選定保存技術「苧麻糸手績み」の保存・継承と研さんに努め、後継者の育成と苧麻糸手績み技術の普及発展に尽力した。
豊見山さんは、長年、国指定重要無形文化財「宮古上布」の技術の保存・継承と研さんに努め、後継者の育成と宮古上布の普及発展に尽くした。
安谷屋さんは、宮古島市文化財保護審議会委員などを務め、市の文化財の保護活動に尽力するなど、県の文化振興に貢献した。
式辞で、玉城デニー知事(代読・富川盛武副知事)は「各分野で長年にわたり研さんを重ね、その継承発展や後進の指導育成に尽力され、今日までの沖縄の文化芸術の振興への多大なる功績に深く敬意を表する。県の文化のさらなる発展のため、引き続き力添えをいただきたい」と祝福した。