キビ操業、年内見送り/宮古本島2工場
来年1月4日の週に開始/伊良部と多良間は来月から
宮古本島内の製糖2工場は11日、2020-21年産サトウキビの製糖操業を来年1月4日の週に始めることを決めた。各地区の生産組合が要望していた年内操業は見送る。宮糖伊良部工場は12月1日、多良間製糖工場は同2日に開始する。宮古地区の今期生産見込み量は約32万トン。3期ぶりに30万トン台を回復する見通しだ。
本島内の宮古製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場は11日、それぞれ関係会議を開いて今期の操業日程を固めた。これまで検討してきた年内操業は見送った。
宮糖城辺工場は、収穫面積から算出する生産見込み量に加え、品質調査、人員確保などさまざまな観点を踏まえて協議。その結果、来年1月4日の週に始めることを決めた。同工場は「4日の週のできるだけ早い段階で始めたい」とした。
一方、沖糖宮古工場は工場の整備状況を主な理由に年内操業を断念した。年内開始に向けて前のめりの協議を重ねてきたが、工場の整備に時間を要すことが分かり、年内に始めることが困難になったという。宮糖と同様に、来年1月4日の週に始められる方向で準備を進める。
年内操業をめぐっては各地区生産組合が9日、両工場に要請文を提出。年内に操業を始めて操業を早めに終え、春植えや株出しの管理に当てる十分な時間を確保するよう求めていた。
年内操業を見送った両工場だが、これらの要請には理解を示す。春植えや株出し栽培の早期管理の必要性を認めており、それぞれできるだけ早く操業を終えて要望に応える意向だ。
今期のサトウキビは、台風や干ばつ等の気象災害を受けずに順調な生育を見せている。適度な降雨も生産量を押し上げている。
1日現在の生産見込み量は、宮糖城辺が前年比1万3000トン増の約10万2000トン、沖糖宮古工場は2万トン以上増える13万トン前後を予想している。
12月1日に今期操業を始める宮糖伊良部工場の生産見込み量は前年比1万5000トン増の約6万5000トン、多良間工場は同比4500トン増の2万3500トンとそれぞれ前年を上回る豊作型となっている。