高さ制限 一部を緩和/市景観計画改定案
海岸、幹線路沿道で見直し/市が説明会開催 年度内策定へ
市景観計画の改定案がまとまった。ゾーニングの細分化と開発行為における建物の高さ制限の見直しが柱だ。新たに定める観光・リゾート共生景観ゾーンでの制限は、すでに開発行為に及んでいる地域に限って13メートルに緩和する。そのほかの海岸地域は現行通り7メートルの制限が掛かる。幹線道路沿道や市街地周辺の農住地等は現行の12メートルを16メートルに改める。市街地の高さ制限は特に設けない。改定案は13日の説明会で示された。一部で「拙速」の指摘もあったが、市は今年度内の改定に向けて準備を進める。
景観条例に基づく景観計画とは、島の景観を維持するために開発者が守る一定のルールのこと。市の現行計画は2012年度に策定されたが、この10年で社会情勢は大きく変化して開発行為が急増。これを踏まえて今回の改定に至った。
高さ制限では、海岸地域ゾーンに観光・リゾート共生景観を設け、このゾーンに限り13メートルに見直す。すでに開発が行われている地域が対象で周囲の自然景観に配慮することが前提だ。それ以外の海岸地域は、現行計画の7メートルに据え置く。
そのほか、幹線道路の沿道を指す発展軸ゾーンにおいて、現行の12メートルを16メートルに緩和する。平良地域と結ばれ、高度利用の必要性が高いためにこれを認める。
また、市街地を取り囲むように配置されている農住地ゾーンについても高度利用の必要性を考慮し、4メートル上げて16メートルに改める。
これら景観計画の改定案は、13日に市未来創造センターで開かれた説明会で示された。高さ制限のほか色彩の基準を明確にする変更点などの説明もあった。
質疑では、景観を維持する高さ制限の必要性を認めながらも、経済的視点を併せ持った計画の策定を求める意見が上がった。改定案の策定スケジュールが「拙速ではないか。もっと多く意見を聞いた方が良い」とする指摘などもあった。
市は12月にパブリックコメントを実施し、来年1月に専門部会、同2月の景観審議会で協議する。今回の説明会で上がった意見等を踏まえて慎重に最終案を取りまとめ、同3月の市議会に上程する方針だ。