下地幹郎氏の復党認めず 自民県連
【那覇支社】自民党沖縄県連(中川京貴会長)は15日、那覇市で会見を開き、10月30日に同党への復党願を提出していた無所属の下地幹郎衆院議員(59)=九州比例=について、県連として復党を認めないという組織決定をしたと発表した。同日に開催した常任総務会で決定したといい、近く党本部に報告する方針。党本部は、県連の決定を踏まえて最終的に判断する。
下地氏の復党については10月27日、國場組の國場幸一会長や大米建設の下地米蔵会長らが「保守・中道大同団結で強固な保守政治を作り選挙で結果を出さなければならない」として、同氏の復党を求める県内14企業・団体連名の要請書を県連に提出した。また、11月12日には、國場会長など経済界有志が下地氏の復党を念頭に「保守合同」を求める1万2428社の署名簿も県連に提出している。
自民党宮古島支部議員団(平良敏夫支部長)と宮古島議員保守系OB連盟(川満俊夫会長)も14日、同氏の復党を県連に要請した。
これまで、下地氏は衆院沖縄1区から出馬し、同じ保守系で自民党の國場幸之助氏やオール沖縄勢力の赤嶺政賢氏と議席を争ってきた。保守系2人の票を合計すると赤嶺氏を上回るものの、2014年、2017年の選挙では赤嶺氏が選挙区で当選を果たし、下地氏と國場氏は比例復活を果たしている。経済界から保守合同を求める声が挙がる背景には、保守系の票がまとまれば選挙区で勝利できるとの読みがあるといえる。
一方、自民党沖縄1区支部(國場幸之助支部長)は、復党の動きに反発を強めた。10月13日には下地氏の復党を認めないよう求める要請書を提出したほか、11月12日にも復党を認めないよう再度要請していた。
15日の会見で、復党を認めないという決定に至った理由については同県連の島袋大幹事長が「(下地氏の)自民党に対する汗のかきかたや貢献の仕方も踏まえて、すぐに復党というのはあり得ないだろうということになった」と説明したほか、国会議員3人を含む衆院選挙の1区~4区の支部長4人が明確に復党に反対していることなども理由に挙げた。
県内経済界の一部から「保守合同」を目的とした下地氏の復党を求める要請については、「これは下地幹郎氏の(復党の)問題と、保守の大同団結は切り離すべきだろうというのが、ほぼ大多数の意見だった」とした上で、「(常任総務会に先立って開催された)議員総会では、大同団結に関しては全会一致で当然そうだろうということだった。次の議案で下地幹郎氏の復党の件に移り、組織内決定を踏んで、復党を認めないという決定に至った」と述べた。
一方で、下地氏の復党を求めてきた経済界の関係者は「話し合いの場を求めていたが、それもなく県連は(復党を認めないと)決定した。強い反発があるのではないか」と語る。同氏の復党については、今後も曲折が予想される。
下地氏は同日、自身のツイッターで「自民党への復党について、自民党沖縄県連が認めないとした一報が入りました。 詳しい内容はまだわかりませんから、冷静に冷静に静観していきたいと思います」「排除の理論は、政治の世界で成功したことはありません。そのことからしても、これから冷静で様々な声が湧いてくるのではないでしょうか」とコメントした。