「観光地域づくり」設立へ/観光協
誘客促進し消費拡大/意見交換で市に協力求める
市と経済団体の意見交換会が17日、市未来創造センターで開かれた。宮古島観光協会は「観光地域づくり法人(DMO)」の設立構想を示して市に協力を求めた。DMOとは地域の「稼ぐ力」を引き出し、観光誘客を促進して地方消費の拡大を図る団体のこと。12月には関係委員会発足の手続きに入り、2022年に観光庁による登録を目指す。
意見交換は、市と経済団体が共催して毎年開いている。市は市長ら特別職のほか幹部が出席。経済団体は▽商工会議所▽観光協会▽青年会議所▽JA▽建設業協会▽商工会▽漁業組合の代表が顔をそろえた。
この中で観光協会は、DMOの設立に向けた協力を要望した。DMOは多様な関係者と協同し、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりの実現に向けて戦略を策定する団体。さまざまな組織が一体となり、マーケティング・マネジメントやブランディング、商品造成、プロモーションを実施して観光客を誘致し、地域経済の活性化を図る。
政府が掲げる地方創世とも合致する取り組みとして注目を集めており、観光庁によると国内の登録団体は約300となっている。
この構想について観光商工部の楚南幸哉部長は「DMO設置や組織体制の強化に連携して取り組む」と前向きに答えた。長濱政治副市長も「市としてできる支援は何か」と問うなどDMOに関心を示していた。
意見交換会では、他の要望も相次いだ。商工会議所は市総合庁舎移転に伴う現平良庁舎の利活用について提案。経済団体や教育・文化関係機関が集う産業支援センター的な機能を有する施設としての利用を求めた。
総務部の宮国高宣部長は要請の趣旨に理解を示しながらも即答は避け、市の公共施設等総合管理計画に即した取り組みの必要性を強調。「どのような形が一番良いのか、しっかりと考えていきたい」と述べた。
宮古青年会議所は、平良港旅客受け入れ施設等の運用に関する市の見解を聞いた。建設部の大嶺弘明部長は宮古島発着のクルーズ船が21年3月末に予定されていることを紹介し、「受け入れの構築に向けて準備を進めている」と答えた。同施設の目的外の利用については「要望等があれば検討してみたい」と話した。