子牛去勢、70万円台回復/11月期肉用牛競り
初競り以来10カ月ぶり/雌も60万円台目前の高値
JAおきなわ宮古家畜市場の2020年11月期肉用牛競りが19日開かれ、子牛1頭平均価格は前月比4万1296円高の66万7733円の高値取引が成立した。特に去勢は同比4万2916円高の70万9906円となり、1月の初競り以来10カ月ぶりに70万円台を回復した。雌も59万8784円(前月比3万7169円高)と60万円目前の価格で競り落とされた。需要増に伴う枝肉の上げ相場が子牛価格に反映されている。
11月競りの子牛上場頭数は332頭で、全頭の取り引きが成立した。平均の体重は276キロだった。
1頭平均価格の66万円台は、初競りで付けた70万5452円に次いで今年2番目に高い価格になった。
性別に見ると、去勢が70万円台を回復した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費の落ち込みで、一時は60万円を割り込むまで下げたが、6月以降は徐々に上げ基調に入っていた。
この傾向が11月も維持されて70万円を突破。平均キロ単価は前月比155円高の2509円を付けた。
雌の価格も上向き始めており、1頭平均価格は60万円が目前となった。平均キロ単価も前月と比べ156円高の2264円。大幅な単価上昇となった。
素牛(子牛)価格の上昇は全国的な傾向だ。各地で展開される消費キャンペーンなどの景気対策で肉の消費量が増え、その需要が枝肉相場を刺激。結果として末端の素牛価格を引き上げているものとみられる。
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターの荷川取努センター長は「先月同様に購買者の買い意欲が強く出た競りだった。価格が高いところで安定していた」と振り返った。その上で「枝肉相場の上昇が大きい。これが素牛の価格を押し上げている。現状を見ると来月ガクンと落ちることはないだろう」と話し、20年最後となる12月競りの取り引き価格に期待を込めた。
成牛を含む11月期の上場頭数は387頭。このうち386頭の取り引きが成立した。1頭平均価格は61万5835円、平均キロ単価は2018円だった。
20年最後となる12月の競りは8日に開かれる。