水際で「テロ制圧」/平良港
保安訓練に15機関参加/情報伝達、負傷者搬送など
平良港保安総合訓練(主催・平良港保安対策協議会)が27日、平良港漲水埠頭(ふとう)で実施された。国や県、市などの関係15機関から63人が参加。各機関が連携し、水際でテロリストを制圧するなど万が一の事態に備えた。
訓練は関係機関の連絡・協調体制を確立し、迅速な対応活動を実施することや、広く保安対策の普及・啓発を図ることを目的としている。
この日は平良港に入港予定の船舶に不審人物が乗船し、乗組員に危害を加えていることを想定して行われた。海上保安部の制圧部隊が船舶に突入し、陸上と海上に逃走したテロリストを、追い詰めて制圧。発砲音などを使用して本番さながらに行われた。
主催者を代表して、同協議会長の與那覇健次平良港湾事務所長は「日ごろから危機管理の意識を持ち続け、有事の際の対応力を維持し続けることが大事。訓練では関係機関相互の連携と協力体制を再確認してもらいたい」とあいさつした。
平良港港湾管理者の下地敏彦市長は「訓練を通して物流の拠点である平良港を、安心安全に利用できる港として国内外にアピールすることで、平良港の発展に寄与することを願っている」と語った。
閉会式で港湾危機管理担当官の田場義浩宮古島警察署長は「関係機関が一堂に会し、相互に連携をしながら情報伝達や負傷者搬送など、迅速的確に総合訓練が行われた」と講評を述べた。
訓練は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、参加人数や訓練時間を通常より減らすなど規模縮小して実施された。