マイナカード発行9995件/市議会文社委
普及率 計画の2割弱/市、促進へ3450万円を予算化
政府が推進するマイナンバーカードで、宮古島市における10月末現在の普及率が計画の2割弱にとどまることが3日、分かった。発行件数は累計9995件と伸びていない。2020年度(10月末現在)の実績は2478件と増えつつあるが、単年度目標に掲げる1万5800件には遠く及ばないのが現状だ。市は一層の普及促進に向けて3450万円を予算化し、市議会に提出。3日の文教社会委員会で詳細を説明した。
マイナンバーカードとは個人番号が記載された顔写真付きのカードのこと。氏名や住所、生年月日、性別が書き込まれており、本人確認の身分証明書として利用することができる。各種行政手続きのオンライン申請をはじめコンビニエンスストアなどで各種証明書を取得することも可能だ。
政府は22年度末にほぼ全国民への交付を目指す。その取り組みの一つがマイナポイント制度で、マイナンバーカードを持っている人に国費で買い物用共通ポイントを付与している。
マイナンバーカード所有者は、キャッシュレス決済サービスを使ってチャージや買い物をすると、利用金額の25%分のポイントがもらえる(1人当たり5000円分上限)。こういった利点が広がるにつれてカードを発行するペースは各地で上がっているという。
ただ、今のところ効果は限定的で、10月末現在の普及率は全国21・8%、県と市は18%にとどまる。
市が市議会に提出している関連予算は20年度一般会計補正予算案に含まれており、すべてが国庫負担。1万5000件の発行を見込む費用だが、現状は3000件にも及ばず達成に向けてのハードルは高い。
文教社会委員会で市の担当者は「(政府の)目標に合わせた設定で、この件数でいかないと令和4年(2022年)に全市民所有が達成できない」とした。
審査では、マイナンバーカード制度が、個人情報の漏えいにつながりかねないという指摘もあった。一部の委員は「国民が多大な被害を被ってしまう可能性がある」という観点から反対の立場を表明。一方で、利便性の向上を主張するなど委員の多数が賛成した。
表決の結果、マイナンバーカード関連費を含む一般会計補正予算案は委員の賛成多数で可決された。