平均糖度は14.12度/今期のキビ搬入開始
高品質で上々の滑り出し/宮糖城辺工場
宮古製糖(渡久山和男社長)城辺工場は24日、2020-21年産サトウキビの搬入を開始した。初日の搬入量は259トン、平均糖度は14・12度と品質面で最高のスタートを切った。天候不良の影響で主流の機械刈り原料が入らないため、圧搾そのものは25日以降に開始する。操業は来年3月半ばまでを予定している。
宮糖城辺工場が見込む今期原料(サトウキビ)の搬入量は10万3000トンと前期作を約1万4300トン上回る。事前の調査で品質も高い数値が出ている。
今期は台風や干ばつ等の災害が軽微で、年間を通して気象条件に恵まれたことが増産の要因だ。久しぶりの豊作が期待される。
初日の搬入概況が示す糖度区分別構成比は基準糖度帯(13・1~14・3度)以上の原料が全体の45・89%を占めており、初日から品質の高さを印象付けた。同糖度帯は36・72%、同糖度帯以下の原料は17・39%。
品質からはじく1トン当たりの農家平均手取り額は推定2万2248円だった。
搬入初日に合わせて開始式があり、城辺砂川にある同工場内には関係者多数が出席して開始を祝った。
初めに、渡久山社長のほか下地敏彦市長ら来賓の代表がキビの束を機械に投げ入れ、今期製糖操業に向けた搬入の開始を告げた。
この後あいさつした渡久山社長は「今期のサトウキビは糖度が高く、反収(10アール当たりの収量)もまずまずという状況にある。農家や関係者にとっては最高の製糖操業になる」と豊作型の原料をアピールし、「関係者の皆さんの力を借りながら農家所得の向上に努めていきたい。安全操業を続けて良い成績で終えられるよう取り組む」と話した。
この後、下地市長と県宮古農林水産振興センターの崎原盛光所長がそれぞれ激励の言葉を述べ、無事故無災害の操業と高品質取り引きを祈願。併せて糖業振興における行政機関としての支援策継続を約束した。
宮古製糖は、12月1日に伊良部工場、同2日に多良間製糖工場の操業を始めている。沖縄製糖宮古工場は来月5日に開始する。
今期地区全体のサトウキビ生産量は、3期ぶりに30万トン台に達する見通しだ。