雌飛来、コウノトリ3羽に/伊良部
期待「花嫁候補」「繁殖地」
国の特別天然記念物で幸せを運ぶとされるコウノトリの雌の初飛来が27日、伊良部の農業用貯水池で確認された。伊良部で滞在を続けているコウノトリ雄の2羽と合流し、3羽は2020年の今冬を彩っている。雌は来年以降に若鳥として成長し「花嫁候補」となる見込み。伊良部が日本の分布の南限で、これまでの2羽記録から3羽に更新された。
今回3番目に飛来したコウノトリ雌は今年6月22日、島根県雲南市の営巣用の塔から巣立った。名前は「みこと」。カラーリング(色足輪)の識別番号はJ0305。
最初に確認されたコウノトリ雄は2年余り前に飛来。兵庫県豊岡市が古里で今年7歳。名前は佐和田自治会が「佐和田幸田」と名付けた。識別番号J0067。
2番目に飛来したコウノトリ雄は12月9日に確認された。兵庫県朝来市の人工巣塔から飛び立った。名前は「清流」。識別番号はJ0291。
愛鳥家の長浜邦雄さん(71)=平良=は「伊良部での繁殖が楽しみ」と笑顔で話しカメラに収めていた。
佐和田自治会の川満光則会長は「伊良部がコウノトリの繁殖地になってほしい」と語った。
兵庫県豊岡市にあるコウノトリ湿地ネット事務局の森薫さんは28日、本社の電話取材に応じ「雌のみことは、雲南市の子どもたちにとても愛されている。子どもたちに、無事に沖縄県宮古島伊良部に渡ったことを伝えたい。機会を見て、伊良部島に行き再会したい」と話した。