平均14・46度の高糖度/6割が基準上回る
今期のキビ搬入開始/沖糖宮古
沖縄製糖宮古工場は5日午前、2020-21年産サトウキビ(原料)の搬入を開始した。初日に搬入した原料1153トンの平均糖度は14・46度と高く、全体の約6割が基準糖度(13・1~14・3度)帯を上回る最高のスタートを切った。天候不良の影響で、圧搾を伴う工場の操業は7日に持ち越した。今期の製糖操業は3月末~4月初旬の終了を予定している。
沖糖宮古工場が見込む今期の原料搬入量は前期比2万3200トン増の13万1000トン。事前の生育調査では品質も高い数値が出ているといい、質、量ともに豊作型となっている。
今年は新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底する観点から、糖業関係者を招く開始セレモニーは取りやめた。社員だけで安全祈願を行った後、午前8時30分から搬入を開始した。
同工場の搬入概況が示す糖度区分別構成比は、基準糖度帯以上の原料が全体の59・94%を占めており、品質の高さを印象付けた。基準糖度帯内の原料の比率は28・54%で、基準以下はわずかに11・52%だった。
こういった高品質取引からはじかれる1トン当たりの農家平均手取り額は、約2万2500円となった。
搬入開始に当たり仲里典和工場長は「今現在の搬入見込み量は13万1000トンだが、これを上回る可能性はある」と期待。「品質面も良く、条件が整えば15度台が見える」と話した。
懸念材料には、日照不足や低温が原因とみられている葉の変色やワタアブラムシの発生を挙げた。葉の変色は「回復が見込めなければ後半の糖度に影響する可能性がある」と指摘した。
ただ、豊作型の原料を強調し、「生産農家の肥培管理や関係機関の指導で今期のサトウキビは収量も品質も良い。買い取りの価格も上がっているので所得向上が期待できる」と話した。
今期のサトウキビは気象条件に恵まれて順調に生育している。沖糖のほか宮古製糖各工場の搬入(生産)見込み量も前期を上回るなど豊作が期待されている。