前年比6割減の44万人/20年入域観光客
新型コロナで状況一変/クルーズ船休止大きく影響
ホテル稼働率も低迷
2020年の宮古島市入域観光客数は新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言や外国クルーズ船の入港休止が大きく影響し、前年比69万8432人(61・31%)減の44万680人となり、好調だった観光関連産業の状況が一変した。島内ホテルの稼働率も前年比15ポイント下落の34%と低迷した。今年も年明けから厳しい状況が続いており、先が見通せない。
入域観光客は外国クルーズ船の寄港が顕著になる以前の14年は42万1703人で、その後、年々増加傾向が続き、19年には過去最高の113万9112人となった。約4割がクルーズ船によるものだった。
20年は年明けから国内でも新型コロナウイルス感染拡大の影響が続き、全月で前年実績を下回った。2月からはクルーズ船の寄港がゼロになり、前年再開した下地島空港への海外航空路線も運休になった。宮古空港への国内航空会社の減便も拍車を掛けた。
月別に見ると1、2月は前年比約30%減。その後はさらに減少幅が広がった。3月は48%減、4月は入域数が1万828人で87%減、最も落ち込んだ5月は入域数が5666人で最大の93%減となった。国の緊急事態宣言解除に伴い6月からはやや回復基調になったが、戻り切らなかった。6月は80%、7月は60%、8月は76%、9月は61%、10月は56%、11月は51%、12月は40%と全て減少した。
宮古島観光協会が取りまとめている島内ホテルの稼働率も低迷を続けた。集計によると、19年の平均稼働率は50・08%。20年は大きく下回る34・47%と苦戦した。前年を上回ったのは「Go To キャンペーン」が動いた11月のみで、残りは全て下回った。特に3月から6月の落ち込みは激しかった。3月は前年比25ポイント下落の37・22%、4月が53ポイント下落の10・36%、5月が55ポイント下落の3・71%、6月が46ポイント下落の15・98%だった。この間、多くのホテルが臨時休業に踏み切った。