元気なコウノトリに歓声/本紙にメール届く
名付け親の兵庫の子供たち
兵庫県朝来市立東河小学校の3年生23人が昨年、人工巣塔で巣立ったコウノトリの雄に「清流」(個体識別番号J0291)と命名した。国指定の特別天然記念物。名付け親の子供たちは、国民に幸せを呼ぶようにと願った。その「清流」が昨年12月、伊良部の農業用貯水池に飛来しているのが確認された。1月21日、愛鳥家の長浜邦雄さん(71)=平良=が「清流」のくちばしにごみのリングが引っ掛かっているのを発見し、カメラに収めた。本紙は、その痛々しい姿を報道した。長浜さんが通報した兵庫県豊岡市にあるコウノトリ湿地ネットが、同校3年生担任の陣在沙耶香教諭へ伝えた。特に子供たちは大きなショックを受けた。本紙は2日付で「くちばしのリング外れる」と報じた。その翌日、陣在教諭から「清流君の嘴(くちばし)のごみが取れたときの子ども達の声」と題してのメールが本社に届いた。原文の一部を紹介する。
メールの冒頭は「飛び跳ねるくらいうれしかった。思わず飛び跳ねた。これからもこのことを思い出しながら色々なことにチャレンジしたい。清流君への思いが届いて『やっぱり清流はあきらめないでチャレンジしてくれる』そんな清流君が素敵だなと思った」と感動した様子から始まる。
その上で「(清流を励ます)ポスターを作ったり、旗を作ったりした。今後もごみ拾いの時間を多くしたり、清流の今までの記録を本にしたりしたい」と出版に向け、気持ちを新たにしている。
「これ以上こんな目に1羽もあわないためにも、もっともっとごみ拾いをしたい。他のコウノトリもずっと元気に羽ばたいてほしい」と環境美化の大切さを訴える。
「宮古島の皆さんのおかけで清流はごみがついた状態でも2週間もあきらめずに頑張れたのだと思う。大人になったらコウノトリの飼育員になりたい夢ができた」と将来の夢を披露する。
文末は「清流のことがあってから、ごみ拾いを2回した。初めて私の豊かな町にもたくさんのごみが落ちていることがわかった。これからもごみ拾いをやって、それを見た人もやってもらえるように、まずは自分から頑張っていきたい」と結んでいる。
子どもたちは、清流のくちばしに引っ掛かったリングを通し、ごみ一つ落ちていない環境美化の大切さを実感したようだ。今後も子供たちのごみ拾いのチャレンジは続く。