宮古発着クルーズ中止に/他社寄港もキャンセル続々
コスタクルーズ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、宮古島を発着する予定だったクルーズ船の中止が決まった。ヨーロッパのクルーズ会社「コスタクルーズ」が3月に計画していたが、断念。このほど宮古島市に伝えた。同社以外の2021年寄港予約もキャンセルが相次いでおり、新型コロナで冷え込んだクルーズ需要の回復は見通せない状況が続く。
コスタクルーズのクルーズ船は、宮古島-台湾・基隆-那覇-宮古島などを周遊する計画だった。運航は3月24日から4月20日まで複数回を予定していた。
宮古島を発着する初のクルーズ船は島内外で注目を集め、人の往来に伴う管内経済の活性化も観光業界を中心に期待されていた。
だが、新型コロナの影響で運航の中止を余儀なくされた。2月に入ってコスタクルーズから市に中止が伝えられたという。乗客・乗員の安全を最優先にして運航の取りやめを決めた。
市によると、事前に予約されていた他のクルーズ船のキャンセルも相次いでいるといい、2月はゼロ、3月もその傾向にある。
見通しが立たないクルーズ需要について大嶺弘明建設部長は「宮古発着のクルーズ船が、冷え込んだ経済を活性化させる明るい材料になると期待したが、命と健康を最優先するクルーズ会社としては当然慎重にならざるを得ないことだ」と会社の判断を尊重した。
その上で「新規感染者が減少していることや、ワクチン接種など明るい材料もある。春先からのクルーズ船再開に期待したい。旅客受け入れ施設もあるので万全な体制でその時に備えたい」と前を向いた。