ふるさと納税5億円突破/前年度をすでに上回る
返礼品充実、知名度要因/20年1~12月市への寄付
古里や応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」で、2020年度の宮古島市への寄付額が20年12月末時点で5億677万円となり、初めて5億円を突破した。この時点で前年度の全体実績を4000万円近く上回っている。返礼品の充実と差別化に加え、知名度の広がりが寄付増額の主な要因とみられる。
市への寄付額は2年連続で過去最高を更新した。市企画調整課のまとめで20年12月末時点の寄付は4384件。すでに前年度実績の3610件を超え、比例して寄付額も増えている。
増額の要因は、寄付者が受け取る返礼品の充実や差別化、さらには返礼品割合の平準化が挙げられる。
市の返礼品で人気があるのは旅行クーポン券のほか、マンゴー、宮古牛といった島の特産品だ。旅行クーポンの人気の高さは県全体の傾向だが、「高級リゾートが複数あることが宮古島市の強みになっている」(友利克企画政策部長)という。
宮古島を象徴するマンゴーや宮古牛、宮古そばも人気がある。こういった返礼品の充実ぶりが寄付額を押し上げているようだ。
また、19年度の法改正によって、返礼品割合が寄付額の3割以下の地場産品に限定されたことも追い風となった。一時は高額な返礼品を競い合う自治体が増えて寄付先に偏りが生じていたが、法改正による返礼品割合の平準化で寄付者の視点が全国に拡大。宮古島市にも注目が集まった。
結果として宮古島市への寄付額は初めて5億円を突破した。友利部長は「返礼品割合の平準化も大きな要因だが、やはり島の特産など返礼品の充実が5億円もの寄付につながった」とみている。その上で、「まだ伸びしろはある。ふるさと納税ポータルサイトへの登録を充実させて閲覧の機会を増やせば返礼品を幅広く見てもらえる。着実に増やせるよう改善すべき点は改善していく」と話した。
ふるさと納税は、古里や好きな自治体に寄付できる制度だ。原則として寄付額から2000円を引いた額が所得税・住民税から控除される仕組みで、寄付額が全額控除となる上限額は家族構成などで異なる。