「今年は静かな旧正を」/コロナ禍 漁師に行動自粛呼び掛け
伊良部漁協組合長
2月12日は旧暦1月1日に当たる「旧正月」。伊良部の佐良浜や平良の池間島などでは、古くから旧暦を重んじ、漁船に鮮やかな大漁旗を掲げて盛大に祝う。多くの漁師宅では、盛大に祝宴が開かれ友人や親戚らが、祝い酒を酌み交わしながら交流を深めるが、今年は新型コロナウイルスに係る県独自の緊急事態宣言下での旧正月となり、漁師たちにも自粛が呼び掛けられている。
伊良部漁協の伊良波宏紀組合長は「私たちとしては船主たちに旧正月も旧十六日祭も今年は自粛を呼び掛けている。今は我慢する時期だし、静かに旧正月を迎えてほしい」と呼び掛ける。
自粛を呼び掛けられた漁師たちの反応については「ほとんどが例年通りではなくて、自分たちの家族だけでお祝いする雰囲気になっていると思う」と話した。
昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、ほとんどの行事やイベントが中止なるなど、寂しい1年となった。
伊良波組合長は「今、気を緩めずに何とかコロナを抑えて、次に予定されている『パヤオ祭り』や『ハーリー』を盛大に開催したい。そして、来年はコロナの影響もなくなり盛大に旧正月を祝いたいね」と話した。
一昔前まで宮古では、新旧の正月が盛大に行われていた。しかし、1950年代の後半から新正月一本化運動があり新正月中心に変わり、旧正月は旧暦と仕事や生活が密着している漁村だけに残るようになった。