キビ1トンに500円支給/全農家へ収穫支援金
夏植え補助も 新年度予算に盛る/宮古島市
サトウキビ生産農家に対する市の新たな支援金制度が設けられる。収穫1トン当たりに500円の支援金を出す。収穫方法に定めはなく、サトウキビを収穫した全農家に一律で支給する方針だ。夏植えに係る作業委託料の一部も補助する。これら支援金の財源は2021年度の予算案に盛り込まれた。第一次産業を重視する座喜味一幸市長の政策が色濃く反映されている。新年度予算案は市議会3月定例会に提出される。
新年度予算案が示すサトウキビ関連費では、収穫支援事業に1億5300万円を措置し、新植促進事業には950万円を充てた。
収穫支援金は、サトウキビの年間生産量を30万トンと想定して算出した。機械刈り、手刈りを問わず、サトウキビを生産して収穫した全農家に対して1トン当たり500円を支給する。
来期2021-22年産からの適用を予定する。仮に今期分の農家手取額(標準的な糖度)に市の支援金を上乗せした場合の1トン当たり手取額は2万2500円まで跳ね上がる。一つの目安の金額になりそうだ。
新植促進事業は夏植え栽培に限定した。春植え、株出し、夏植えという三つの作型のうち収量で優位な夏植えを最低でも全体の50%確保することが狙い。急伸する株出し栽培が域内で増え過ぎないようにバランスを考慮した政策となる。
補助の内容は、夏植え機械植え作業の委託料(10アール当たり)の50%以内、上限を2500円に定めた。
これらサトウキビ関連に加え、野菜、果樹、水産物等での活用が見込まれる事業の展開も描く。県外への流通に係る負担を軽くする県の農林水産物流通条件不利性解消事業の制度を宮古島-沖縄本島の輸送分に当てはめる市独自バージョンを考案。沖縄本島への輸送費の一部を補助する。700万円の予算を付けた。
16日の予算案の発表で座喜味市長は「サトウキビの宮古における経済効果は非常に大きい。(選挙の)約束事でもあるのでしっかり支援したい」とした。農林水産物流通条件不利性解消事業においても「大市場の沖縄本島への輸送費に関する不利性の解消に全力で取り組む」と意欲を示した。