新年度予算案379億円/宮古島市
前年度比64億円の減/コロナ対策に3億円計上
宮古島市は16日、2021年度一般会計当初予算案を発表した。予算総額は378億9400万円で前年度に比べ64億4600万円(14・5%)減と大幅に減少した。総合庁舎整備事業などの大型公共事業の完了に伴い、普通建設事業費が大幅に減額となったことが要因。一方、新型コロナウイルス感染症対策では3億円を計上。沖縄本島への輸送費の一部補助を行う農産物流通条件不利性解消事業なども盛り込んだ。予算案は来月2日開会予定の市議会3月定例会に提出される。
歳入の構成比は、自主財源が25・1%、国や県から支出・交付される依存財源は74・9%となっている。 新型コロナウイルスの影響などを考慮して市民税は9112万円の減としているが、固定資産税が2億460万円増となっていることから、市税は前年度比1億3793万円増の57億5707万円を見込んでいる。
一方で地方交付税は109億460万円で、普通交付税の合併算定替えの終了に伴い前年度比2億8348万円の減となった。国庫支出金は同比1億6995万円減の62億8574万円で、県支出金は同比4億739万円増の65億1404万円となっている。
繰入金は前年度比11億813万円減の24億3866万円。主な内訳は庁舎等建設基金繰入金が14億5999万円の減、財政調整基金繰入金が3億4372万円の増などとなった。
市債は31億730万円で、前年度と比べて53億5891万円減少した。
一方の歳出は、人件費や物件費、公債費を含む経常的経費が前年度比9億3588万円(3・4%)増となり、総予算に占める割合は74・5%。このうち公債費は42億8360万円で2億7934万円増となった。
主な事業として、保育園(所)の職員がPCR検査を行う際に費用を補助するPCR検査強化事業に1523万円、旧伊良部町のし尿処理施設を解体し新たにし尿処理施設を整備する事業に3億1791万円。さとうきび収穫管理支援事業に1億5300万円、沖縄本島までの農産物の輸送費を補助する農産物流通条件不利性解消事業に700万円を組んだ。
小学校および中学校の児童生徒に係る給食費の完全無償化、保育所、認定こども園に通う幼児についても、副食費の無償化は継続する。また、北小学校と中学校、下地中学校の体育館の雨漏りや屋根の修繕、新規事業として伊良部区域における公立幼保連携型認定こども園整備事業、城辺地区世代間交流施設整備事業などを実施する。
市役所平良庁舎で開いた会見で座喜味一幸市長は「コロナ対策は3億円の予備費を確保し、すぐに対応できるようにしたい。農林水産費も沖縄本島への輸送費補助など農家の所得アップにつながる取り組みと考えて計上した」と強調した。
また、「予算規模が縮小しているので市民所得につながるような事業を選択集中していくことが迫られている。事業効果が高い事業に投資していかなければならない」と述べた。