子育てに不安や悩み/コロナ禍で増える
市「孤立しないで相談を」
新型コロナウイルス感染拡大による度重なる緊急事態宣言や求められる自粛の日々は、各方面にいろいろな影響を及ぼしている。その一つが子育て世代の保護者だ。コロナ禍の中で周囲のサポートは限定的となり、孤立してしまいがちな親たちの心身に与える影響は深刻だ。市保健センターに寄せられる相談も今年度はその約2割がコロナ関連だという。市では不安や悩みがある場合は1人で抱え込まず、積極的な相談を呼び掛けている。
2月に入り、市役所1階にある福祉部の窓口には「コロナ禍で子育てを行う保護者へ」と題したチラシが設置されている。
そのチラシの中では、全国認定子ども園協会が実施した子育て家庭への緊急アンケート調査の内容が記されている。
それによると、コロナの影響で「困ったこと」についての質問には「ある」と答えた割合が74・4%、「ない」の25・3%を大きく上回った。
重複回答の中では、「子どもとの過ごし方に悩む」が最も多く70・7%。そのほかにも、「親の心身の疲弊」が53・8%、「減収・失職で生活や育児の費用が心配」が20・2%となっている。
宮古の現状について、市保健センターは「コロナ関係で言えば本土出身者が里帰り出産できない、島外から親を呼んで子育てのサポートができないなどの相談が増えている。これはこれまでになかった相談」と話し、コロナの影響が出始めてからこれまで約2割程度がコロナ関係の相談だという。
兵庫県出身で夫のふるさとである宮古島で、4人の子供を育てている40代の女性もコロナ禍の子育ての大変さを実感しているという。
「下の子がまだ1歳。もし、コロナ禍で初めての子を育てることを想像するととても怖い。島外から移り住んで、感染の恐怖におびえながら人と接することができない状況での子育ては想像すらできない」と話した。
2人の子育てをする別の母親も「子どもは2人で下の子が現在1歳。昨年から今年に掛けて大変だった。児童館とか支援センターが閉まる期間は、行き場もなくなって大変だった。誰かと話をすると気が楽になるが、誰とも会わないでとなるとかなり厳しかった」と振り返った。
話を聞いた母親たちから常に出てくる言葉が「引きこもると精神的に追い込まれてしまう。少しでも良いから外に出て気分を変えることが大切」との呼び掛けだ。
市保健センターは「市としても大変な思いをしているお母さんたちの悩みや話を聞いたり、いろいろなサポートができるような体制を整えているので電話や来庁するなど積極的に相談してほしい」と呼び掛けている。
子育て関係についての相談は、市保健センター(電話73・4572)、児童家庭課(同73・1966)