「広々として開放感」「職員との距離遠い」/高評価、不満さまざま
開庁1カ月余で市民の声/市役所新庁舎
市役所新庁舎の開庁(1月4日)から1カ月余り。市町村合併以降続いていた分庁方式を無くし、窓口業務などを統合した庁舎は3階建て、総事業費は約118億円を掛けた。来庁者からは「広々として開放感がある」「駐車場が広い」と評価する声がある一方で、「広すぎてどこに行けばいいのか分からない」「窓口カウンターから職員の距離が離れすぎ」などと不満の声も上がる。市民課窓口には1日平均280人(発券利用者のみ)の市民が訪れている。快適な市民生活をサポートする市役所。来庁者の声を拾った。
「以前に比べて使いやすくなった」と話すのは、3年ほど前に沖縄本島に住んでいたという30代女性。「他の役所の対応に比べても遜色はない。以前は順番が来ると名前で呼ばれていたが、今は受け付け番号で呼ばれるようになったことも評価できる。また、担当の職員が来庁者に親切に対応している」と話した。
会社員の男性(50代)は「完成したばかりなのできれい。広々として解放感もありとても良い」と高評価。「しかし、横に長く結構歩くので、高齢者には使い勝手という面ではどうなのかな」と首をかしげた。
この男性は「2階へ行く階段が長く感じる。エレベーターも車椅子利用者と介助人が一緒に乗り降りするには小さいのではないか」と指摘。「エレベーターの位置や各課までの行き方など、大きな表示で知らせる必要がある」と要望した。
70代の女性は「駐車場が広くなったことは良かった。でも、庁舎内は広すぎて目的の場所まで歩くのが大変。高齢者や足が悪い人にはきつい」と不満そう。「(建物は)もう少し小さい方が良かった。広いので、エレベーターも一つしか目につかなかった」と話した。
実は、市役所内にはエレベーターは3基設置されているが、1階ロビーに設置されているエレベーター以外は、目につきにくい場所にあるため、ほとんどの人に利用されていないのが実情だ。
50代の介護職女性は「カウンターから職員の席が遠すぎる」という。「声を掛けても届かないようで、気付いてもらえなかった。職員との距離を感じており、使い勝手は悪くなっている」と厳しい意見だった。
「金を掛けただけあって立派な建物だが、問題は中身だ」と話すのは60代の男性。「不適切な対応やたらい回しは絶対にやめてほしい」と市民と向き合った業務の遂行を強調する。その上で「市役所の使い勝手にも加え、職員の対応や身だしなみ、あいさつ、言葉遣いなどのアンケートも実施し、業務に反映させてほしい」と提案した。