子どもの健康と環境を追跡/宮古島市で全国調査
3年で900組の参加目指す/来月から登録開始
環境省が全国15地区を対象に実施する「子どもの健康と環境に関する全国調査(通称「エコチル調査」)」。県内では宮古島市が唯一の対象となっていて、2月1日からの参加者登録開始を前に、宮古島市の調査に協力する琉球大学の青木一雄教授らが26日、市役所平良庁舎で会見を開き、市民に協力を呼び掛けた。
社会・生活環境の変化に伴う環境の汚染や変化が、子どもの発育に悪影響を及ぼす可能性を明らかにするため環境(エコ)と子ども(チルドレン)をテーマに実施される「エコチル調査」。全国で10万組の母子を対象に、子どもが母親の母胎にいる時から13歳になるまで定期的に健康状態を確認。環境要因や化学物質が子どもの成長・発達に与える影響を明らかにすることで、子どもたちが安心して健やかに暮らせる環境の実現を目指す。
調査対象地区は北海道や甲信、愛知、大阪、鳥取など全国15地区の約110市町村。宮古島は南九州・沖縄地区として調査を行う18市町村の一つに選定された。今年から調査を開始し、2025年には中間報告を取りまとめる。調査終了後の結果分析を含めた事業期間は約20年を見込んでいて、総予算は700~800億円となる。
調査は、出生前の妊婦検診時、出産時、1カ月時に採血や毛髪などの一部採取、その後6カ月から13歳に達するまで半年ごとにアンケートと数年ごとに健康状態検査を実施。宮古島市では1年に300組、3年で900組の参加登録を目指していて、今回は今年8月以降出産予定の妊婦を対象に参加登録の協力を呼び掛けている。
会見には青木教授のほか、長濱政治副市長、県福祉保健部国保・健康増進課の上原真理子課長、宮古福祉保健所の高江洲均所長、宮古病院の安谷屋正明院長が同席。青木教授は「次世代の子どもたちの健康増進に結び付けるための調査。多くの住民の協力をお願いしたい」、長濱副市長は「宮古の生活・社会活動が子どもたちにどんな影響を与えているのか、現実を知る良い機会になる。市民にはぜひ協力してもらいたい」と呼び掛けた。
調査への参加登録は、母子保健手帳発行時などに市平良保健センターで受け付ける。問い合わせは保健所内の「エコチル調査南九州・沖縄ユニットセンター・琉球大学宮古事務所」(電話79・0513)まで。