伊良部高校が閉校/大宮校長が校旗返納
37年の歴史に幕下ろす
県立伊良部高校が6日閉校し、37年間の歴史に幕を下ろした。県教育委員会に校旗を返納した大宮廣子校長は「廃校にはなるが、本県県立高校の歴史に確かに刻まれた」と誇り、伊良部高校の名が語り継がれていくことを期待。「新たな旅立ち」と表現し、同窓会による継続・発展を確信する言葉で締めくくった。(2面に写真特集、13面に関連記事)
伊良部高校は宮古高校伊良部分校として1984年に開校した。86年には伊良部高校として独立。県下55番目の県立高校で、今年創立37年を迎えていたが、社会環境の変容を背景に生徒数が年々減少し、今年度での閉校を余儀なくされた。
創立以来、「小さな島から大きな挑戦」を合い言葉に掲げ、学習面、文化、スポーツの各分野で数々の実績を積み重ねてきた。
中でも男子バレーボール部は全国大会に6回出場して伊良部高校の名を全国にとどろかせた。小さな離島校の快進撃は、多くの全国メディアで取り上げられるなどして話題になった。弁論や作文、英検、珠算、ICT等の各分野においても全国的な活躍を見せた。集大成は進路決定率。2015年度から6年連続で100%を達成している。
大宮校長は、これらの成果を強調し、「文武両道を実践して活力に満ちた充実した高校生活を送り、自らの人生を進取の精神で切り開いている」と誇った。
その上で、伊良部高校の伝統と歴史が語り継がれていく未来を描きながら「自主・誠実・創造の建学の精神を引き継ぎ、『伊良部高校ここにあり』と継続、進展していくことを心から期待している」と話した。
県教育委員会の金城弘昌教育長は「県立伊良部高校の歴史は幕を下ろすことになるが、これまで本校が伊良部島唯一の高等学校として取り組んできた業績は伊良部島の住民はもとより多くの県民の心の奥深くにとどまる」と式辞を述べ、関係各位に感謝を込めた。