「大胆発想で村政運営」/多良間村
コロナ対策に協力訴え/3月定例会 伊良皆村長が施政方針
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)3月定例会が9日開会し、伊良皆光夫村長が2021年度の施政方針を表明した。伊良皆村長はこれまで、持続可能な村として発展していくことを目指し、農林水産業の振興や人材育成、過疎化対策に取り組んできたことなどを強調するとともに、「大胆な発想でスピード感をもって発展する村政運営に決意を新たにしている」と述べた。
新型コロナウイルス感染症に触れ、「世界の常識を覆す、激動の時代に直面している。コロナ禍で求められるのは感染症対策だけでなく、差別意識と経済危機を乗り越える強い地域の構築と支えあい。村民の理解と協力を得ながら地域を守っていく」と話した。
人口減少について伊良皆村長は「若い世代の転出増加に強い危機感を持っている」と述べ、この状況を打開するため、「大人が地域の魅力を見いだし、行政だけでなく、地域一体となった村づくりを進めていく必要がある」と訴えた。また、人材流入を図るため、移住者支援情報の充実を図ることや居住用の簡易型コンテナハウスを設置する方針を示した。
農業振興に大神(うがん)地区、高瀬第二地区、安嘉応原地区などの農地基盤整備に取り組むことを説明。サトウキビ農家の高齢化に対応した機械化を推進することと共に、単収アップと品質の向上に取り組むとした。また、平張ハウスも「水あり農業」に向けて導入し、栽培実証などを実施する。ニンニク、トウガラシ、ササゲ、ノニなども高収益作物として推進してくと説明した。
畜産振興のヤギ事業については増頭に向けた販売価格の助成など農家支援を今後も継続するとともに、農家に意見を求め、増頭運動を展開するとした。
観光産業については、村民とともに、地域資源の価値と魅力を再認識し、村の特性・特色を生かした「おもてなし」を充実させ、「何度も訪れたい・住みたい」と考える人が増えるよう取り組んでいくとした。
また職員のあるべき姿として、時代の変化に柔軟に対応し、俯瞰(ふかん)的な視点から政策に取り組む姿を求め、村としても「将来を見据えた職員の育成とともに、ワークライフバランスや働き方改革に配慮した職場環境の整備に努め、一丸となって課題にも適切に対応する村づくり」を推進すると述べた。