「ニーリの花」を熱演/劇団かなやらび
通し稽古で成果発揮/コロナ禍、家族のみ招待
劇団かなやらび(奥間郁子団長)は14日、マティダ市民劇場で本番通りに行う「通し稽古」で、ミャークファンタジー第5弾「ニーリの花」を披露した。新型コロナウイルス感染症の影響で、今年度の公演は中止になったが「家族だけには見せたい」との団員の思いを汲み取って実施した。団員らは、晴れ舞台を目指して取り組んできた稽古の成果を発揮。招待された保護者は「多くの人に見せてやりたかった」と公演中止を惜しんだ。
「劇団かなやらび」は、宮古地区の児童生徒で構成され、今回の公演は、かなやらびの脚本・演出を手掛ける森光佐さん(島ピエロのゆずちゃん)が担当した。
舞台は、宮古島のような、どこか遠い国のようなサンゴの島「ミャーク」。神々に頼ることなく人間の手で島を豊かにしようとする大人と神や精霊の存在を信じる大人。それぞれに強い思想を持ち、二つに分かれた大人たちに巻き込まれながらもたくましく育ちゆく子どもたちの物語で展開した。
劇団員は、時に笑いを交えながら熱のこもった演技を生き生きと演じ、観客を物語の世界にいざなった。
稽古終了後には会場から大きな拍手が起こり、団員たちも満足げな表情や、やり切って爽快な表情を見せた。
団員の川平一輝さんは「コロナの影響で練習も例年の半分以下だったが、全力を尽くした。(通し稽古を)やれて良かった。これからも劇団を続けて今よりももっとすごい公演をやりたい」と感想を話した。
奥間団長は「父母会でも思うように練習ができない中、公演をどうするかと話し合ってきた。きょうで気持ちが軽くなった」と安堵(あんど)の表情を見せた。 通し稽古終了後は今年度の解散式も行われた。