宮古馬牧場を整備/城辺長間
4月から10頭飼養予定/市教委 在来馬を保存、活用へ
城辺長間に宮古馬の牧場が整備されている。市教育委員会よると、4月には運用を開始する。当面は雄5頭、雌5頭の計10頭を飼養する方針だ。飼養環境を向上させて在来馬の保存と活用の両面を推し進める。
牧場の場所は比嘉ロードパークの西側で、市有地を活用して整備した。広さは雄用が2560平方㍍、雌用が400平方㍍ある。県の補助を受けて374万円を投じ、主に飼養部分を囲う牧柵設置費に充てた。
牧場の管理は宮古馬保存会が担う。作業員を確保して給餌したり、ふんを片付けたりする。作業員が休日の場合は、周辺の自治会に対応してもらえるよう調整を進めているという。
宮古馬の所有者は保存会で、現在は同会と育成奨励補助金などを受けている飼養者で計50頭前後の馬を飼養している。ただ、近年は保存会に返還を申し出る飼養者もいるという。飼養に係る労力や資金不足等が背景にあるとみられる。
牧場整備は、こういった飼養環境に対応するために保存計画の柱に据えられていた。一時は小学校の廃校跡に整備する計画も浮上していたが断念。城辺長間の市有地に整備した。
この場所は県道83号線から一望できるため、今後は観光面での活用も期待される。市教委は新年度も周辺の伐開作業のための予算を組んでいる。後々は厩舎(きゅうしゃ)の設置も計画している。
市教育委員会生涯学習課の担当者は、「この牧場を有効的に活用して、引き続き宮古馬の保存に努めていきたい」としている。
宮古馬は日本在来馬8種の一つ。保存事業は1977年に雄1頭、雌1頭から始まっており、現在は50頭前後が飼育されている。