陰性証明書義務化を断念/座喜味市長が方針転換
野党「公約違反」と批判/観光客のPCR検査・市議会一般質問
座喜味一幸市長は19日、市長選で公約に掲げてきた「観光客のPCR検査陰性証明義務化」について、法的根拠がないことを認め、断念することを明らかにした。義務化は「(陰性証明書を提出する)協力体制の構築」に変更することを表明。野党は「公約違反だ」などと声を上げ、当選後2カ月での方針転換を批判した。開会中の市議会3月定例会一般質問での平良和彦氏への答弁。(8面に関連)
同問題は18日の一般質問でも取り上げられ、楚南幸哉観光商工部長が「困難」だと表明していた。市長が答弁しなかったため、平良氏が「やるか、やらないかをはっきりしてほしい」と回答を求めた。
座喜味市長は「義務化や法律上の制限はできないので取り消して、協力体制を構築ということでご理解いただきたい」と説明した。
平良氏は「公約の撤回でいいか。市民に説明をしてほしい」とさらに追及。座喜味市長は「水際対策として陰性証明書については、観光関連産業などに協力依頼をしたい。できるだけ島には陰性の状態で来てもらう仕組みづくりが重要だと思っているので、訂正をさせていただきたい」と答えた。
野党議員からは「公約違反じゃないか」「こんなの許されない」などと厳しい批判の声が相次いだ。
市は座喜味市長当選後から、陰性証明書の提出義務化について、宮古地区医師会や県立宮古病院、観光関連事業所と意見を交わしたが、現状では「困難」との考えに至ったという。
議会後、本紙の取材に対して座喜味市長は「公約の撤回ではなく変更ということになる。水際対策は重要なので提出の協力を求めたい」と語った。