2030年のEV車率40%目指す
地域新・省エネルギービジョン
宮古島市地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定委員会(委員長・千住智信琉球大学教授)の第5回委員会が28日、市役所平良庁舎で開かれ、運輸部門での二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた市の方向性を示す同ビジョン案について最終協議を行った。
努力目標としては2020年までにガソリン燃料すべてをバイオエタノール10%混合のE10にすること、島内車両台数に占める電気自動車(EV車)の割合を30年までに40%とすることを掲げている。ビジョン案は今後、市民からの意見などを盛り込んだ後、下地敏彦市長の承認を得て正式決定する。
環境モデル都市行動計画の中で、CO2排出量を2003年対比で30年までに約3割、50年までに約7割削減させることを目標としている宮古島市。総排出量の約3割を占める運輸部門からの排出削減に向け、クリーンエネルギー自動車の普及を目指すための将来構想としてビジョンの策定を進めている。
最終となる委員会では、事務局を務める市エコアイランド推進課が、これまでの委員会で出された意見を盛り込んだビジョン案を説明した。
ビジョンの目標は「エコアイランド宮古島を目指して クリーンエネルギー自動車が走る」とし、目標達成に向けてはEV車による省エネルギーの促進と、バイオ燃料による新エネルギーの活用を計画。重点プロジェクトとしては▽EV車、ガソリン車をEV車に改造する「EVコンバージョン」の普及促進▽計画的な充電インフラ整備▽E3事業化の促進▽サトウキビの安定供給▽E10への展開―を挙げる。
EV車の普及は、公用車やレンタカーへの導入から取り組み、エコ施設などでの乗車体験、農業や物流業など業務車輌への導入、そして一般家庭へと広げていきたい考え。具体的な努力目標としては、島内車輌台数に占めるEV車の割合を20年までに20%、30年までに40%までに高めることと、今後3年以内に20基程度の充電設備の整備を目指す。
E3は現在、公用車や協力企業車、レンタカーなど約1580台で実証実験が行われているが、今年度はさらに3500台以上の追加を予定している。今後は、E10の実車走行車輌の調達や製造販売システムの検証などを進めていくことで、20年までに島内で使用するガソリン燃料のすべてをE10化し、30年までには島内車輌台数の10%をバイオ燃料100%のE100にすることを努力目標とする。
ビジョン案に対し委員からは「取り組みに向け、市民の意識を高めることが必要」や「目標達成のためにはタイムスケジュールを決め行政が引っ張っていかなければ進まない」などの意見が出された。千住委員長は「市民に広めるためにはPRに工夫してほしい」と事務局に要望した。
ビジョン案は、今委員会で出された意見を盛り込んだ後、2月上旬に市民に公開し意見や要望などを募集。それらを案に盛り込んだ後、下地市長の承認を得てビジョンが正式に決定。2月下旬ごろの公表を予定している。