限定的実施で検討/全市民PCR検査
市長「大規模厳しい」
再び公約で方針転換/市議会一般質問・棚原氏
新型コロナウイルス対策として、座喜味一幸市長が公約に掲げた「全市民を対象としたPCR検査」について、地域や業種を限定した実施を検討していることが24日、分かった。座喜味市長は「就任直後から急激に感染が広がり、大規模なPCR検査が現実として厳しくなった」と理由を述べた。「観光客のPCR検査陰性証明書義務化」に続き、公約の方針転換となる。開会中の市議会3月定例会一般質問での棚原芳樹氏への答弁。
垣花和彦生活環境部長は、1月下旬から2月上旬にかけて新型コロナの感染者が急増したことで、医療現場が逼迫(ひっぱく)する状況にあったことを説明。「全市民のPCR検査を実施すると感染力のない陽性者が見つかることで、医療現場と疫学調査の現場がさらに混乱する。専門家等の意見を受け、これまで実施していない」と語った。専門家からは全市民を一斉にではなく、限定的に実施する案が出されたという。
棚原氏は「市長は公約に掲げて選挙を戦ったため、当選すればPCR検査を受けられると市民は期待して投票した。今になってできませんでは済まされない。市民に訴えたことは守ってもらいたい」と追及した。
これに対し、座喜味市長は「選挙公約を作成した11~12月は、感染が拡大している状況ではなく、その時点はPCR検査をしっかりやるべきだと政策に入れた。公約発表当時と就任直後は状況が変わっていることを、ご理解いただきたい」と語った。
座喜味市長は公約の「観光客のPCR検査陰性証明書義務化」について、法的根拠がないとして義務化を断念。「協力体制の構築」に変更している。
方針転換に野党議員らからは「公約は軽くないぞ」などと厳しい声が上がった。