真栄城六段が初優勝/第43期宮古本因坊戦決勝リーグ
本社主催
第43期宮古本因坊戦(主催・宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協賛・こすみ囲碁教室)の決勝リーグが28日午前10時から、同教室で行われ、真栄城佑次六段が初優勝した。過去43回の大会の中で、宮古本因坊を獲得したのは真栄城を含めて9人。29歳の真栄城は若さあふれる力を発揮し、従来の池間博美六段の最年少記録(30歳)を塗り替えた。
決勝リーグには現本因坊の知念一将六段と予選を勝ち抜いた亀川実六段、平良博彦六段、真栄城佑次六段の4人が参加した。
1回戦は最年長の亀川と最年少の真栄城、優勝回数5回の実力者・知念と同じく5回の平良が対戦した。
真栄城(黒番)-亀川(白番)の一番は戦いが続く見ごたえのある対局となった。白は右上隅で数子を生きて優勢になったかに見えたが、中盤の勝負どころで緩着があり、亀川は惜しくも敗れた。内容的には亀川の若さに負けない鋭い切れ味が光った。
知念(黒番)-平良(白番)は、力と力がぶつかり合う戦い。白は中央の石をポンぬいて一時優勢になった。しかし、左辺の攻防で白に誤算があり黒番の知念が逆転で勝った。
2回戦の組み合わせは1回戦の勝者と敗者。知念(黒番)-亀川(白)は知念の中押し勝ち。
真栄城(黒番)-平良(白番)は、白が序盤から形勢を大きくリードした。しかし、白が黒模様を消しに向かった手を黒がとがめて、真栄城が逆転で勝った。
決勝は全勝同士・知念(黒番)-真栄城(白番)の対局となった。ヨミ合いの碁は、両者ともに決め手を与えず一進一退。右下隅で白に手が生じたが、それでも形勢は不明。細かい形勢のまま終局を迎え、結果は白番の真栄城が3目半の小差で勝った。
真栄城は「初優勝はうれしい。連覇するようにこれからも碁の勉強を頑張りたい」と喜びを語った。決勝リーグで打った3局については「どれも負けてもおかしくないような厳しい碁だった。特に平良さんとの第2局は50手ぐらいで投げようかと思っていた。平良さんに勝てたのが大きかった」と感想を語った。知念は「負けたのは悔しいけど、それ以上に若い真栄城さんが優勝したのがうれしい」と祝福した。
閉会式で宮古毎日新聞社の伊志嶺幹夫社長は「若い真栄城さんの優勝を主催者としても喜んでいる。ますます精進して強くなっていただきたい。コロナの中で、むつかしい運営だったが伝統の大会を中断させるわけにはいかないと対策をしっかり行って開催した。参加した皆さんに感謝している」とあいさつした。
こすみ囲碁教室主宰者の池間博美さんは「全局とも優勝を目指して、力いっぱいの碁が繰り広げられた。特に1回戦は誰が勝ってもおかしくないような戦いだった、本因坊戦が末永く続くよう、みんなの協力をお願いしたい」と総評した。