「一定の評価できる」/市長が陸自施設視察
緊急時の想定 提出申し入れ
座喜味一幸市長は7日、上野千代田と城辺保良にある陸上自衛隊宮古島駐屯地の施設を視察した。座喜味市長が陸自施設を視察するのは初で、同駐屯地の隊員や沖縄防衛局の職員から排水処理方法や弾薬庫の概要などの説明を受けた。視察後、「それなりに慎重に施工されており、一定の評価はできる」と理解を示したものの、さらに安全を担保するためにも科学的根拠として弾薬庫の「緊急時のシミュレーションの提出」などを申し入れたと説明した。
座喜味市長は午後3時ごろ上野千代田にある陸上自衛隊宮古島駐屯地に入り、施設の全体概要の説明を受けたという。
千代田の駐屯地での懸案事項として自然の保全のあり方、地下水保全の問題などを挙げ、生活排水の処理、重車両などの燃料等の処理などについて重点的に視察したとし、感想で「重油等については極めて丁寧に処理されていることが確認できた。また、地域の宝である御嶽の保全についても、地域の人が入れるようにしっかりと配慮していることも確認できた」と話し、「基本的には千代田は環境にも配慮されながら管理運営されている状況と認識している」と評価した。
保良の弾薬庫については火薬取締法に基づく認可の状況や手続き、特に住民が不安になっている緊急事故等の想定外の事案に対する安全性についても質問をしたという。防衛省側からの説明を受けて、「(弾薬庫は)分厚いコンクリートの壁などで丁寧に施工されていることは確認できた」と評価した。一方、「弾薬庫の数量や搬入のスケジュールなどは説明がなかった」と話した。
視察後、改めて防衛省に対して「地域住民に間違いなく安全な対策となっているのかを証明する科学的な分析を実施し、市への報告と住民に対する丁寧な説明」を申し入れたと説明し、防衛省は「持ち帰って検討させてもらう」と回答したという。
記者団からの「住民に対する丁寧な説明とは住民説明会の開催か」との質問に対しては「必ずしもそういう形ではなく、今回の視察のように保良や七又の住民の視察を受け入れるという形もあるのではないか」と話した。