65歳以上の接種始まる/コロナワクチン
来間の高齢者施設で/県内トップ 入所者ら11人
65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が12日、始まった。県内では宮古島市がトップで高齢者施設の入所者を対象に実施した。市は同日、下地のグループホーム来間で接種の様子を報道陣に公開した。施設の専属医、看護師、市の座喜味一幸市長や担当者らが接種の様子を見守っていた。同施設では入所者と職員計11人が接種。入所者の90代の女性は「これで安心できる」と話した。
宮古島市で対象となる65歳以上の高齢者は1万5600人。このうち高齢者施設の入所者は約1000人で、今月中に接種が完了する見込みで、一般高齢者の接種は5月中旬以降の見通し。
ワクチンは米製薬大手ファイザー社製。接種に先立ち、同日午後には市職員が保冷バックに入れてワクチンを届け、専属医が希釈した。接種前には問診が行われ、体温や現在の体調、食事取得の有無などについて丁寧な聞き取りを経て行われた。今回の接種に当たり、1瓶から6回取れるシリンジを活用した。接種後は副反応がないか経過観察のため、15分ほど待機した。利用者たちは経過観察中も雑談するなど体調不良は見られなかった。
接種した代の女性は「針を刺した時だけ少し痛かった。早く注射を打ってもらえてありがたい。具合も悪くなっていない。新型コロナは怖いので注射を打つことで安心して施設も利用できる」と話した。また、代男性は「(注射は)痛くなかった。体調も良く元気。新型コロナのための注射と聞いている。注射を打てて安心している」と笑顔を見せた。
同施設の加賀武施設長は「これだけでというわけではないが安心度は上がった。入居者に感染させないよう職員も頑張っているのでそれが少し和らぐ。まだ気を緩めず引き続き感染しないようにしていきたい」と話した。
専属医の打出啓二医師は「安心して施設で過ごしてもらうための第一歩。経過も特に問題なく皆さん大丈夫だと思う。ワクチンの有効性は95%といわれている。私も2回目の接種後に副反応があった。ある程度の副反応はあるが、命に関わることは少ない。予防接種のメリットと接種後の副反応のデメリットを考えたらメリットが大きい。予防接種に関しては積極的に受けてほしい」と話した。