犬の殺処分 2年連続ゼロ/宮古20年度
違法犬捕獲数も大幅減
保健所「飼い主の意識が向上」
犬の殺処分数が2年連続でゼロとなったことが県宮古保健所管内における2020年度犬の収容状況(速報値)で分かった。違法犬捕獲数も前年度から76匹減少。ピーク時に比べても半数以下となった。同所では「飼い主の意識が少しずつ変わってきて、放し飼いも減ってきている。ボランティアの頑張りも大きい」と話している。
速報値によると、捕獲数は18年度の296匹が19年度は226匹となり、20年度はさらに減って150匹となった。
こうした背景について、同保健所は「放し飼いの情報もどんどん入ってくるようになった。近所の目も大きいと思う。見ている人は見ているので、飼い主の意識も変化したことが数字にも表れているかもしれない」と話した。
さらに「今は殺処分『ゼロ』が継続しているが、それが続かなくなることも十分に考えられる。捨てる命を生まないように放し飼いをしない。避妊、去勢手術を行い繁殖制限をしっかりやってほしい」と呼び掛けた。
同所管内における犬の捕獲・保護数は年間100~200匹台で推移してきたが、14年度と15年度は300匹台に増加した。
それに伴い、14年度からは年間の殺処分数も300匹を超え15年度は325匹となり、東京都の1年間の処分数を上回っていた。
こうした状況を打開しようと、民間ボランティアが立ち上がり、収容された犬を島内外に譲渡する活動が16年度ごろから本格化した。
同所と連携した取り組みで16年度の終末処分数は、前年度の325匹から大幅に減少し141匹となった。
さらに、活動が充実してきた17年度の処分数は減り続け、19年度は初のゼロを達成していた。