フードバンク寄付7426個/食の助け合い広がる
「市民の優しさに感謝」/市社協事業
市社会福祉協議会が進めるフードバンク事業「んまんま」への食品寄付が急増している。2020年度に寄付された食品数は6727個で、事業を開始した19年10月からの累計は7426個に上る。この食品の大半が必要とする家庭に配布された。フードボックスの設置を申し出る民間企業も相次ぐなど、食品の寄付文化が根付き始めている。市社協の担当者は「宮古は本当に優しい。感謝しかないです」と話している。
市社協によると、月日を重ねるごとにフードバンク事業に対する理解と協力が広がっているという。
毎月社協事務所を訪れて食品を寄付する個人や、職員から募った食品をまとめて寄付する企業も多い。
事業の認知度と比例して実績も右肩上がりで推移している。開始初年度となる19年度の食品寄付は6カ月の合計で699個、このうち698個を必要な世帯に配布した。20年度は食品寄付6727個、配布は6617個と急増している。
事業の利用者は一人親世帯が最も多く、全体の3割を占めた。高齢者世帯や生活保護世帯のほか、ドメスティックバイオレンスの被害者や新型コロナウイルスによる収入減でバンクを利用する家庭もあった。
事業を担当する市社協の松下智美さんは「これだけの食品が集まるなんて」と驚き、「宮古の人の優しさを実感している。本当にすごいと思う」と感謝した。
ただ、「今は見えていないだけで、手を差し伸べなければならない家庭はたくさんある。困っている人と事業をどうつなげていくかが課題になる」と話した。
市社協は19年10月にフードバンクを開始した。関係団体による事業の周知活動によって食品の寄付件数は徐々に増え始めた。20年10月には日本郵便沖縄支社が市内全12の郵便局にフードボックスを設置。一気に事業内容が知れ渡った。
その後、沖縄銀行宮古支店とホテルローカスがフードボックスを設置するなど民間での取り組みも相次いでおり、食品の寄付文化が根付き始めている。
フードボックスの設置希望など事業に関する問い合わせは市社協(電話72・3193)内の「フードバンクんまんま」担当まで。