キビ収穫後早期実施を/ケブカ防除実演会
砕土で75%の死亡実証
サトウキビの根を食い荒らし枯死させているケブカアカチャコガネの幼虫を砕土機の刃でつぶして防除する実演会と効果調査が31日、城辺下北のキビ収穫後地で行われた。砕土した場所(処理区)の幼虫の死亡率は、75・7%。スコップで掘り取った場所(無処理区)の12・3%と63・4ポイントの開きがあり、かなりの効果が実証された。実演後は、牧草に被害を与えているアカチャコガネの幼虫も確認した。
同会は、収穫後の早期砕土による防除効果を実際に示し、農家への普及啓蒙を図る目的で実施した。砕土機の刃が届く所に幼虫がいる時期は、12末から3月上旬。収穫後の早い時期に砕土すると、効果がより高まるという。
実証調査は、処理区と無処理区それぞれの10カ所(調査株の所)を掘って幼虫を集め、生存率と死亡率を比べる方法で行った。
処理区では37匹を採取し生存率は24・3%(9匹)、死亡率が75・7%(28匹)。無処理区の採取数は81匹で生存率が87・7%(71匹)、死亡率が12・3%(10匹)となった。
ケブカアカチャコガネの被害による、キビの立ち枯れ圃場は増える傾向にあり、その駆除が課題になっている。
主催した宮古地区さとうきび技術員会の砂川榮良会長、同病害虫対策協議会の上地秀蔵会長や、県宮古農林水産振興センターの下地秀一農業改良普及課長があいさつし、砕土防除の普及でアカチャコガネが激減するよう地域一体の取り組みを呼び掛けた。
同会には農家や行政、JA、製糖会社、宮古郡農業共済組合の職員ら約30人が参加した。
実演会後、牧草地の掘り取り調査が行われた。一株の根元で15匹もの幼虫が見つかると、参加者らはびっくり。「サトウキビ畑の防除だけでは、対策にはならない」と新たな課題を示していた。牧草地での被害は昨年暮れに農家から連絡があり、初めて分かったという。