「残念」「仕方ない」/五輪聖火リレー中止
ランナーや市民落胆/最高齢の亀濱さん「走りたかった」
新型コロナウイルスの感染拡大で、宮古島市で実施予定だった東京五輪聖火リレーの中止が決まった。これを受けて聖火ランナーやスポーツ団体、市民、事業者の間では一様に落胆の声が広がった。「残念」「今の状況では仕方のないことだとは思うが…」と口々に話し、新型コロナに阻まれた歴史的イベントの完全中止を悔しがった。
宮古島市での聖火リレーは5月2日に実施される予定だった。市の公設市場前を出発し、下里通り、平良第一小学校前、市消防本部前を通る市役所までのコースが設定されていた。
聖火ランナーは14人が決まっていて、市のランナーは亀濱敏夫さん(95)、加藤伸一さん(61)。前泊照美さん(62)だった。
陸上競技マスターズM90クラスの中・長距離種目で三つの世界記録を持つ亀濱さんは「残念だよ。走りたかった」とぽつり。「家族が作ってくれた(疑似)トーチを持って練習もしてたんだよ。でも今はコロナウイルスを抑えないとね」と寂しそうな表情で話した。
それでも今は気持ちを切り替えて6月の県マスターズ陸上を目指しているという。「頑張るよ。しっかり走るさあ」と笑った。
スポーツ団体からも落胆の声があった。「スポーツの力で宮古を元気に」をスローガンに幅広い活動を展開している市スポーツ協会の砂川恵助会長は「ただただ残念だ。ランナーの亀濱さんが体を鍛えている様子は日々見ていた。聖火リレーを目標に頑張ってきたはずなのでなおさら中止を残念に思う」と亀濱さんの心境をおもんぱかった。
中止の判断を「今の状況を考えれば仕方がないという部分はある。ただ、聖火リレーが実施されることでいよいよオリンピックが開催されるという機運が盛り上がったはずなのでそのことが残念だ」と話した。
聖火リレーコース沿いにある事業者も中止を残念がる。丸国タイヤの国原政春さん(61)は「次いつ行われるのか分からないのが聖火リレーだし、それが中止になるのは残念というしかない」と肩を落とす。「当日は従業員や家族と一緒に互いの距離を取りながら沿道で聖火リレーを見ようと話し合っていた。コロナがこういう状況では仕方ないと思うが、とても大きな記念になっただけに本当に残念に思う」と話していた。