「安全性分からない」/保良弾薬庫
見学で地元住民/防衛局の開催方法にも疑問の声
沖縄防衛局は25日、一部供用が開始された陸上自衛隊「保良訓練場(弾薬庫)」で地元の保良、七又の両地区の住民を対象にした見学会を開いた。約60人の住民が参加し、弾薬庫も含め、訓練場に整備される施設の説明を受けた。参加者からは見学会実施方法や説明などについて「(施設の)安全性がよく分からない」と疑問の声が上がった。
見学会は午前と午後の2回に分けて実施。保良公民館から陸上自衛隊宮古島駐屯地の隊員らが、マイクロバスで住民たちを同訓練場まで案内した。
訓練場では参加者らはテントの下に集められ、同局の職員らが説明を行った。
参加者によると説明時間は約30分間で、内容は弾薬庫や現在建設中の覆道射撃場、廠舎(しょうしゃ)などの概要だったという。説明後には質疑応答も行われた。
同訓練場には弾薬庫3棟の建設が予定されており、このうち2棟は3月末で完成している。
参加した会社員の50代男性は「弾薬庫に入れるミサイルなどは経済産業省の規定に従って貯蔵するという説明があった。弾薬庫の安全性を訴えていたが、正直よく分からない。施設も整備中なのでまだ半分しかできていないという印象だ」と不満を口にした。
保良自治会の砂川春美会長は「各施設を巡り説明してくれると思った」と述べ、参加住民からは「このような見学であれば(弾薬庫施設ではなく)公民館でもよかったのではないか」「中に入ってしっかり見るという意味では理解できた」「完成してから再度見学させてほしい」との感想があったことを紹介した。
その上で「参加した人たちにも(陸自配備には)賛否はある。自治会役員として、住民の不安解消のために今後も協議をしていきたい。今回の見学会は70点くらい」と評価した。
見学会について同局では「防衛省としては保良訓練場の施設整備について部隊による運用を開始する段階となったことから、地元住民を対象に現地見学会を開いた。訓練場内の施設に関わる説明などを行った」と述べた。