キビ生産量35万3514トン/伊良部最後に今期完了
3期ぶり30万トン超の豊作/20-21年産
宮古製糖伊良部工場は30日午後、2020-21年産サトウキビ(原料)の搬入を終えた。これにより、宮古地区全4製糖工場の搬入が完了。合計の搬入(キビ生産)量は前期の実績を8万7922トン上回る35万3514トンとなり、3期ぶり30万トン超えの豊作が確定した。今期は品質も良く、平均糖度は各工場とも14度以上の取引があった。
宮糖伊良部は昨年12月1日に搬入を始めた。累計の搬入量は6万9936トンと大台の7万トンに迫った。この量は当初の予想を約5000トン上回っており、今期の豊作を印象付けた。
同工場がまとめた30日付の搬入概況によると、平均糖度は14・77度と基準糖度帯(13・1~14・3度)をクリア。基準糖度を超える原料が全体の64・05%を占めている。基準糖度帯の原料は31・92%、基準糖度帯以下は4・03%だった。
この高品質取引で1トン当たり農家平均手取り額も上昇。国交付金を含めて2万2930円と高かった。
今期の原料搬入を終えて同工場農務課の宮国博文課長は「12月、1月の搬入は雨の影響で計画通りとはいかなかったが、2月以降は予定通り進んだ。新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底するなど例年とは違う搬入になったが、無事に終えることができた」と総括した。搬入量は「予想通りの豊作になった。気象条件に恵まれたことが一番の要因となる」と話した。
同工場の搬入終了で宮古製糖は城辺、伊良部、多良間各工場の原料搬入を終えた。沖縄製糖宮古工場は4月2日に終了しており、地区内の製糖4工場すべての搬入が完了し、地区全体のキビ生産量が確定した。
工場別搬入量は▽沖糖宮古14万1109トン▽宮糖城辺11万6049トン▽宮糖伊良部6万9936トン▽宮糖多良間2万6420トン-で計35万3514トン。2017-18年産以来30万トン超えとなる豊作となった。
今期のサトウキビは天候に恵まれて順調な生育が見られた。干ばつや台風など大きな自然災害に見舞われなかったことが要因だ。品質にも優れているため、農家所得が向上。次期作に向けて弾みになりそうだ。